自然である事。

ありのままである事。

 

それは本来とても素晴らしい事のはず。

 

しかし、資本主義経済においては、

そうはいかない。

 

なぜなら、資本主義経済においては、

現状を否定し変化させる事が価値になるから。

 

それがお金儲けに繋がって評価され、

権力に繋がるしくみになっているから。

 

 

実際、多くの人が、

国に景気を良くしてもらう事を望む。

会社にボーナスを増やしてもらう事を望む。

 

それに流されるように社会は動いている。

 

このお金を中心にした考え方が今、

社会の中で様々な矛盾・不合理に繋がっているように思える。

 

 

例えば、国会議員が国民に、

「景気対策なんかよりも、みんなの笑顔や環境を守る事の方が大切だと思うんです」

なんて言おうものなら選挙に負ける。

 

例えば、営業マンがお客様に、

「あなたは今のままで最高に素晴らしいですよ!お客様には特に何も必要ありません。」

「新しい商品を買わなくても、直して使い続けた方が環境的・経済的にいいんじゃないでょうか?」

なんて言ってしまえば、それはダメ営業マン。

 

上司に

「お前仕事やる気あるのか!」

「1人の見込み客を集めるのにいくらかかっていると思っているんだ!」

と叱られる事になる。

 

そうなるからこそ、

美容でも、リフォームでも、飲食でも、

ほとんどの会社において、

現状を否定して、ある意味不必要なものを、

過剰に提案して販売して利益を追求する事になる。

 

 

資本主義経済はある意味、

食べ過ぎ、持ち過ぎ、捨て過ぎ、掛け過ぎ、やりすぎetc、

過剰な消費を促進する経済システム。

 

資本主義的に考えると、

必要な分の肉・野菜を、買って美味しく食べてもらうよりも、

食べきれない量の肉・野菜を、捨ててでもいいから買ってもらった方が

儲かるので正しいという事になる。

 

お客様に過剰なストレスを与え、お客様に暴飲暴食を勧め、

お客様を不健康にして、お客様を生かさず殺さず長生きさせて

お金を浪費させるのが儲かって正しいという事になる。

 

「もったいない精神」「足るを知る」を否定し、

人々に浪費させる事を推奨するシステム。

環境を犠牲にしてでも、資源を奪って所有する事を推奨するシステム。

 

こんな事は、普通に考えればおかしいと誰もがわかるはず。

 

 

とはいえ、これまで、この資本主義経済は、

衣食住が足りなかったため、とても合理的で素晴らしいものだった。

 

もっと早く、もっと便利に、もっと高品質に、もっとたくさん

商品・サービスを提供すればすればするほど儲かって評価されるために、

この資本主義のおかげで世界は物質的に豊かになってきた。

 

しかし、今、物質的な豊かさが、

不必要になるほどに成長しすぎたために、

ほころびが生じてしまっている。

 

幸せになるための経済システムであったはずが、

お金のために誰かを悲しませたり、

お金に振り回されて争ったり、

お金に目が眩んで環境を破壊したり、

本末転倒な事が起こっている。

 

自然である事の価値を否定して、

ありのままである事の価値を否定して、

新しい価値を創造する事を推奨するようにして、

これまでは発展してきたけれど、

それももう終焉を迎えているような気がする。

 

 

個人レベルで言うと年収、

会社レベルで言うと年商・利益、

国レベルで言うとGDP(国内総生産)。

お金を中心にした評価を軸にしていては、

この不合理な経済システムによる矛盾は続いてしまう。

 

とはいえ、そうは言っても、

そのうち破綻するとはわかっていても、

便利さを我慢させたり、人の欲望を止める事は現実的に難しい。

 

上手にアップデートさせるとするならば、

きっとそれは現状肯定をベースにしたアプローチ。

 

つまり、

「新しいって素晴らしい」

「変化って素晴らしい」

「贅沢って素晴らしい」

と認めた上で、それに加えて、

「古いものも素晴らしい」

「変わらない事も素晴らしい」

「質素な生活も素晴らしい」

とその逆の価値をも認められるような考え方。

 

そしてきっと、その鍵を握る1つのツールが仮想通貨。

 

資本主義経済を否定せず、

今のお金の価値を認めながら、

仮想通貨を使って、

環境・笑顔・時間・コミュニティ・信用・優しさetc、

今までお金換算できなかった人類にとって大切なものを

仮想通貨として、お金の価値として可視化していく事。

 

それによって相対的に今のお金(法定通貨)の価値が下がって、

人の笑顔や環境を守る事を価値として評価されるようにしていく流れ。

 

そんな風に、お金をうまく使った形で、

ソフトランディングさせていけたら、

優しい人・会社をもっと自然に報われるようにしながら、

経済もうまくまわるようにしていけるはず。

 

 

資本主義経済は、

既得権益を持っている人が圧倒的に有利になっている以上、

お金を巡って保守と革新が必然的に争う事になる

盛者必衰・弱肉強食の経済システム。

 

おかしいと思ってはいても、

数の論理・強者の論理でなかなか変えられない。

 

それでもそれを乗り越えて、

お金による不毛な争いがなくなるとしたら、

まだまだ課題は多いけれど、

今後、仮想通貨が大きな鍵になっていくと思うのです。