部下に、夫婦に、子供に、恋人に、友達に、お客様に、

どんな関係でも問題になるのは、

伝えたはずの事が伝わっていないコミュニケーションの事。

 

「これやって」と伝えてもやってもらえない。

「こうしてほしい」と何度お願いしても効果がない。

 

伝え方が悪いのかもしれないと思って、

丁寧に説明して見本まで見せたって、

変わらない人は変わらない。

 

相手を変えようと思う事自体が

おこがましい事だとはわかっていても、

それでもイライラしてしまうんだから仕方がない。

 

 

うまくいっている人に相談すると言われるのは、

「相手を変えようと思うな!自分を変えろ!」

みたいな話。

 

でもそうやって言われても、

「私は悪くない!」

と思いたい欲求が邪魔をする。

 

変える事を諦めたいけど諦められない。

 

諦めたはずだと思っていたはずなのに、

気になってしまってケンカになる事もある。

 

伝えたい事がうまく伝わらなくて悩んでいる人は多いはず。

 

 

そんなコミュニケーションのズレの根本的原因は、

伝える側が、

「人は人の話を言うほど聞いていないとわかっていない事」

から来ているような気がする。

 

相手が黙って聞いていると、

「伝えた事を聞いてもらえている。」

「相手に受け取ってもらえている。」

と思うかもしれないけれど、

人の話を集中して聞くのは疲れる。

 

人の話を聞きながら、

他の事を考えている人も多い。

 

セミナーで「これをした方がいい」と有名講師に言われたって、

それを実践する人は1割もいない。

 

それは本でも一緒。

 

本の中にワークがあったとしても、

それをそのまま実践する人は20人に1人いればいい方。

 

そんな現実を言うと、

「いや、ウチの社員がそんな訳がない」

と言う人もいるけれど、

伝える側は伝わったと思いたいせいか、

多く伝わっていると勘違いし過ぎる傾向にある。

 

わかる人にはわからない人の気持ちがわかりにくい。

でもこれは、逆の立場の事を考えてみたらわかる。

 

例えば、

よくわからない事に対して怒ってきているクレーマーの話を1時間を聞いたとして、

「その中の何割覚えているか?」

「さらにそのうちの何を実践まで繋げられたか?」

 

仮に相手がしていた話をまとめてアウトプットするとして、

それで5分間話せればいい方。

キーワードで3つくらい残っていればいい方。

 

自分がお金を払って、自分の意思で普段会えない人に話を聞きに行く場合は

まだしっかり聞こうと思うかもしれないけれど、

そうでもない関係性の相手の話は、

言うほどしっかり聞いていないのが当たり前。

 

さらに言うと、

伝わらない相手に丁寧に説明しようとする人がいるけれど、

それは大抵逆効果。

 

長い説教は聞かないのと同じように、

伝わらない相手に、

どんなに長く丁寧に説明しようとしても、

具体的にわかりやすく説明しようとしても伝わらない。

 

話が伝わらないのは、

話のわかりやすさの問題ではなく、

相手に受け取る準備をさせられていないから。

 

 

例えば、

やる気のない部下に

「やる気を出せ!」

と言ったくらいでやる気を出せる訳がない。

 

やりたくないと思っている相手に、

やる方法を伝えたところでやらない。

 

「なぜやる気を出せないか?」

についてどれだけ説明したところで、

やる気がないんだからその話を聞いていないのが当たり前。

 

 

こちらが相手にわかって欲しいと思っている時、

相手にもわかって欲しいという想いがある。

 

こちらが

「(こんなに教えてあげているのに)なんでわかってくれないの?」

と思っている時はたいてい相手も同じように、

「(こんなに放っておいてと言っているのに)なんでわかってくれないの?」

と思っている。

 

「いや、私はわかっている」

と受け入れたくない人も多いかもしれないけれど、

そう思う感情は相手も同じ。

相手も同じように

「わかっているのに何で同じ話を何度もするんだろう」

と思っているはず。

 

真面目な人ほど時間の浪費を繰り返す。

余計に相手に嫌われて、悪循環にハマってしまうのかもしれない。

 

 

 

大切な事はきっと、伝える内容よりも、伝わる準備。

本当に伝えたいメッセージほど磨き込む事。

 

 

普段からおちゃらけて

「好きだよ」

と何度も言われるよりも、

雰囲気のいいお店で、

伝えるたった一言の方が伝わる。

 

突然、

「好きだよ。」

と言われるよりも、

「一度しか言わないからよく聞いて。。。好きだよ。」

という方が伝わる。

 

普段口数が少ない人の一言の方が重く響く。

 

 

だからこそ、

マネジメントがしっかりできている上司ほど、

普段は雑談中心、アドバイスはここぞという時だけに

なっているのかもしれない。

 

 

長い話はいらない。

 

人は聞きたい話を聞く。

都合のいいように解釈する。

 

それが当たり前。

 

その本人にとって聞きたくない話や、

相手に興味のない話(人)だと認識されると、

シャットアウトされるだけではなく、

マイナス部分だけを切り取られて被害妄想的にとらえられたりして逆効果。

 

私も、人は人の話を意外に聞いていない事を前提に、

メッセージを磨き込む事を意識・実践していきます!