「3年後あなたはどうなっていたいですか?」

と聞かれると、

結婚して子供が欲しいとか、

いくらの年収になっていたいとか、

いろんな事を答えやすい。

 

しかし、

「ではそのために今、具体的にどんな行動してますか?」

と聞かれると答えられない人は意外に多い。

 

そこからさらに、

「今から具体的に何をしますか?」

と突っ込まれると嫌な気持ちになる人もいる。

 

「夢や理想はあるけれど、苦しんで努力してまで手に入れたいとは思わない」

この価値観は若い人達を中心に、

多く持たれているように思える。

 

従来の、

「苦しむほどに努力するからこそ夢は叶う」

という努力と根性が好きな人達とのすれ違いが、

いろんなところで起こっている。

 

 

会社で、上司・先輩の立場にある人が、

部下・後輩から、

「いくら稼げるようになりたいです」

「30歳までに課長になりたいです」

と言われて熱心にサポートしようとしても、

「土日はキッチリ休みたいんで・・・」

などと肩透かしにあってしまいがち。

 

若い女性社員から、

「結婚・出産しても働き続けたいんです」

と言われて、

手厚い産休・育休の制度や託児所を用意したところで、

子育ての大変さを乗り越えてまで、

働き続けてくれる人は言うほどいない。

 

「彼(彼女)のためにここまでやってあげたのに・・・」

とショックを受けている人の話は実際によく聞く。

 

何かをしたいと言う割に、

そのための努力を嫌がる人の気持ちは、

特に年配世代の人にはなかなか理解しにくいのかもしれない。

 

 

最近なんとなくわかってきた事は、

まず、夢や理想という言葉の概念が世代によって違うという事。

 

それは年配の人が持つ言葉のイメージよりもかなり軽い。

 

若い人が語る夢や理想は傾向として、

「なんとなくできたらいいな」

という意味で言っている事が多い。

 

「絶対に叶えてみせる!」

くらいの熱量で夢や理想を語る人は少ない。

 

だからリスクをとって努力してまで行動しないのは当たり前。

 

まわりの人が応援しようとしても、

逆に重たく感じられて逆効果になるケースもある。

 

 

もう1つは、

本当に叶えたい事が別のものであるケース。

 

例えば、

「年収1000万円欲しい」

と言っている人でも、

「年収1000万円になったら何を買うの?」

と聞くと年収1000万円なくても買えるものしか答えられない事は多い。

 

「1000万円じゃなくて800万円じゃダメなの?」

と聞かれると揺れる人もいる。

 

その場合、

「年収1000万円欲しい」

という言葉の本当の意図は

お金が欲しいのではなく、

お金に困りたくないだけなのかもしれない。

 

誰かに認められたいだけなのかもしれない。

 

だから少し苦しい事があると、

「なぜこんなに苦しまなければいけないんだろう?」

「もっと自分にあった別の方法があるんじゃないか?」

となってしまって、逃げてしまいがち。

 

昔は情報が少なかったせいか、

とにかくバカになって、

やり切る事がしやすかったのかもしれない。

 

それが今では、情報が多いが故に、

「努力しないで達成できる他の選択肢」

を探そうとしてしまって動けなくなる。

 

この傾向はきっと強いはず。

 

 

でもこれも悪いことではなくて、

プラスに捉えれば、ある意味、

「苦しまなくても手に入れられる幸せを、ひたむきに手に入れようとしている」

とも言える。

 

私も昔会社で、

「学生時代の友達と縁を切れ」

「彼女と会うな」

と言われた事がある。

それも案外間違っていない事だと今はわかる。

 

でも、何かを犠牲にしないと成功できないという考え方自体、

あまり幸せではないはず。

 

「何かを犠牲にするくらいなら成功しなくてもいい」

という人が増えるのも不思議ではないはず。

 

そう思うと、

努力しないで夢を叶えたい人が増えるのは

素晴らしい事なのかもしれない。

 

 

そんな、努力しないで夢を叶えたい人に対する対応法はきっと、

努力を努力と思わせないほど、努力の楽しさを伝える事。

 

それを言葉だけではなく、自分の背中で伝える事。

 

欲しいものは簡単に手に入らないからこそ面白い。

 

お腹が空いている時のご飯が美味しいのと同じように、

努力してやり切るからこそ達成感がある。

その後の打ち上げが盛り上がる。

 

「努力しないでうまくいく訳がない」

と正論を言って相手を否定してしまうよりも、

「努力してうまくいくからこそ楽しいんだよ」

と努力の価値を肯定的に伝えられた方が前向き。

 

 

「努力しないで夢を叶えたい」

なんて無理と思えるかもしれないけれど、

努力も含めて楽しみに変えられていたとしたら、

本人は努力を努力と思っていない訳なので、

現実的に叶えられるはず。

 

「楽しさを追求していたらいつの間にかうまくいっていた」

という自然で幸せな世界観を追求していきたいです。