「やりたい事をやったらいい」

とよく言われるけれど、

実際にやりたい事をやると周囲から非難されがち。

 

「あなたばっかり好きな事をしてセコい!」

「私たちだって我慢しているんだから!」

などと、やりたい事をやっていない人から

足を引っ張られるように感じる事もあるかもしれない。

 

非難してくる人に対して

「だったらあなたもやりたい事をやったらいい」

と言うと、

「私にはそんな余裕がないからできない」

などとできない言い訳をされる。

 

挙句の果てには、

「私がこの仕事をやらなければみんなが困る」

「私がいなければこの会社は回らない」

などと、他人のせいにされる。

 

やりたい事ができないのはその本人の責任であって、

チャレンジする他人の足を引っ張る必要はないはず。

 

でも、いまだに足の引っ張る人が

多く存在するのはなぜだろうか?

 

 

まず1つ言えるのは、

今この瞬間、自分が幸せだったら

他人の足を引っ張らないという事。

 

そこにエネルギーを使う行為がバカバカしいとすぐわかる。

 

同じ出来事でも、

幸せだったら「●●のおかげ」、

不幸だったら「●●のせい」になる事を考えると、

幸せな人はより感謝の気持ちに溢れるようになり、

不幸な人はよりイライラに悩まされて他人に当たる事になる。

 

その結果、

幸せな人の周りには幸せな人が集まり、

イライラしている人の周りには、

同じようにイライラしている人が集まる事になる。

 

会社でも、コミュニティでも、

二極化してきているような気がする。

 

自分が今所属している場所が、

どちらなのか考えてみるといいかもしれない。

 

 

もう1つ思うのは、

足を引っ張りたくなるのには、

歴史的な背景があるという事。

 

衣食住が満たされていなかった昔は、

自分が頑張らなければ誰かが困るという状況があった。

 

助け合わなければ生きていけなかった時代。

 

「米が作ってもらえなければ餓死する」

「家族で仕事をしなければ食べていけない」

 

という状況下では、

「俺は絵を描きたいから東京に行く」

なんて息子がいたら

殴ってでも行かせないなんて事もあったと聞く。

 

しかし近年、

良い意味でも悪い意味でも豊かで便利になって、

助け合わなくても生きていけるようになった。

 

正社員じゃなくても、

親がたとえギャンブル依存症であっても、

衣食住レベルで困る事はなくなった。

 

そんな中で、

「私が頑張らなければみんなが困る」

というのはウソではないかもしれないけれど、

少し困る程度で、言うほど困らないレベルでしかない。

 

寂しくなるほどに自分の代わりがいる。

 

会社でも同じ事。

「ウチの会社が頑張らなければお客様が困る」

というのはたいてい勘違い。

 

お客様も、

「本当は他でもいいけれど、少し安い・便利だからその商品・サービスを使っている」

程度に過ぎない。

 

とはいえ、

その事が明白になりそうになると、

「そんな訳はない!」

と図星だから故に怒る。

 

もしかしたら、足を引っ張りたがる人は、

「自分がいないと困る」

という幻想にすがって生きていたい人なのかもしれない。

 

自分の代わりがいる事を認めたくなくて、

意地やプライドを守るために戦っているのかもしれない。

 

本当は本人もわかっていながらも、

そこに人生の意味を見出しているために、

やりたい事をやっている人を見ると、

自分がやっている事・やってきた事が意味がないように思えて、

足を引っ張りたがるのではないだろうか。

 

 

そう思うと、

足を引っ張る人を味方に付けるには、

そんな相手を丸ごと受け入れて認めてあげればいい。

 

やりたい事がやる時に、

「やりたい事をやって何が悪いの!?」

という態度では

足を引っ張りたがる人を傷付ける。

 

「あなたもやったらいい」

と正論で間違っていない事を言ったとしても、

「やりたい事ができない」

と思い込んでいる人を敵にしてしまって損をする。

 

やりたい事をやる人の足を引っ張りたがる人は、

「自分がいないと困る」

「自分が必要とされている」

と思いたい人。

 

だから、そんな人に対しては、

「あなたのおかげでやりたい事ができる。ありがとう。」

という気持ち・態度で接する事がうまく調和させる方法。

 

このほんの少しの配慮をするだけでガラリと変わるはず。

 

 

やりたい事をやる人が偉い訳でもなく、

やりたい事ができていない人が可哀想な訳でもない。

 

やりたい事をやり切った先には

やりたい事がない状況が生まれるかもしれない。

 

幸せだった人も、

ふとしたキッカケで、

イライラのスパイラルにハマるかもしれない。

 

全部同じ人間。

 

イライラして足を引っ張り合う会社・コミュニティから、

応援し合える会社・コミュニティへ移るのもいいけれど、

逃げても追いかけてくるのが世の常。

 

どこに行っても自分と違う人はいる。

 

違う人を受け入れて、

うまく調和させるスキルを身に付ける事で、

どんな場所でも笑顔で過ごしていけるようになると思うのです。