やりたい事ばかりやっている人に対して、

「素晴らしい!」

と褒める人もいれば、

「だからダメなんだ!」

と怒る人もいる。

 

もしやりたい事で結果を出したとしても、

「すごい!羨ましい!」

と言う人もいれば、

「金の亡者!ぼったくりだ!」

などと卑下する人もいる。

 

法律やルールを守っていたって、

「道徳的・常識的におかしい!」

と言って非難する人もいる。

 

逆に、法律を破っているのに、

誰かのために何かを成し遂げる人を褒め称えたり、

仇討ちで人殺しをするような物語を見て感動する人もいる。

 

他人の評価はよくわからない。

 

成功者としてテレビに出演したりすると、

反対していたはずの人が、

「絶対うまくいくと思っていたんだ!」

と評価だけでなく記憶までもが

コロッと入れ替わっているケースさえある。

 

何が正しいかなんて、

きっと自分で決める事。

 

人の評価に振り回されていては

何もできなくなってしまう。

 

 

でも、だからといって

他人の評価は全く必要ないかと言われると

そうでもない。

 

現実的に、

どれだけ自分がやりたい事をやろうとしたって、

それで他人も喜ばせる事ができないと

やり続けるために必要な協力を集める事は難しい。

 

自分の評価が低くなるほど、

周囲にサポートしてもらいにくくなるばかりか、

「そんな道楽、早く辞めなさい!」

と足を引っ張られたりする事もある。

 

そう思うと、

自分をしっかりと持った上で、

自分がやりたい事を進めやすくするために、

他人の評価をうまく活用するのも一手。

 

 

傾向として、

みんなが嫌がる事・できない事をするほど、

評価はされやすいように思える。

 

組織でも、

人より早く来て準備をしたり、

みんなが嫌がる事務作業や、

難しい事に率先して取り組む人は、

わかりやすく感謝され評価される。

 

だからといって無理して頑張ろうとしても、

自分が苦しんでやっていると長続きしない。

 

また、

誰でも簡単にできる割に評価される事は、

すぐにマネされるのですぐにできなくなる。

 

また評価されていたとしても、

それが打算的だとわかると、

嫉妬されて嫌われやすい。

 

つまり、他人に評価されるには、

自分が純粋に楽しめて、

簡単にはできないような

みんなが嫌がる事・できない事を

打算なくみんなのためにやるしかない。

 

結局、自分のためを突き詰めても、

誰かのためになっていければ続かない。

 

また誰かのためを突き詰めても、

自分のためになっていなければ続かない。

 

もしかしたら、

他人の評価を大切にする事と、

自分がやりたい事をやる事は

本質的にはほとんど同じ事なのかもしれない。

 

 

ただ面白いのは、

「みんなが嫌がる事=自分が嫌いな事」

とは限らない事。

 

自分が好きで得意な事が、

実はみんなにとっては嫌な事かもしれない。

 

自分にとっては当たり前すぎるような事が、

みんなにとっては

難しくてできない事かもしれない。

 

よくよく考えてみると、

今テレビに出ているような有名人だって、

時代が時代なら、

仕事をしないで遊んでばかりいる

役立たずに分類されていたような人。

 

例えば、

プロスポーツ選手という職業がなかった

100年前の人からすれば、

スポーツが上手だったりする事で、

たくさんお金をもらってみんなの憧れの存在になっているなんて、

説明しても信じてもらえないに違いない。

 

自分では誰の何の役に立っているかもわからないような事が、

どこかの誰かにとってはとても価値がある事になり得る。

 

そんな素晴らしい事も、

他人の評価が教えてくれる。

 

自分が純粋に好き・楽しめる事で、

なおかつ他の人にとって価値のある事。

 

この両立ができる何かに

気が付けるかどうかで

人生は大きく変わってくるはず。

 

 

 

やりたい事をやったらいいと言われるけれど、

やっていくとどこかで必ず

他人の評価という避けられない障害が現れる。

 

自分を否定されているように感じたり、

やりたい事がやりにくくなるように感じたりするかもしれない。

 

でも、それは悪い事ではなくて、

自分の価値は自分だけでは気が付けないからこそ、

他人の評価という軸で力を貸してくれているだけ。

 

また、他人の評価のおかげで、

自分が好きな事をやって協力してくれる人に迷惑をかけたり、

人に喜んでもらえなくて恥ずかしい想いをしたりするを避けられる。

 

他人の評価と自分の感覚のズレの中に、

新しい改善点が見つかる。

 

他人の評価は愛すべき味方になり得るもの。

 

他人の評価を活かすも殺すも自分次第。

肯定的にとらえて活かしていきたいです。