働き方改革の流れのせいか、

給与や休みの話になる事は多い。

 

中には感情的に社長・上司に噛み付く人もいる。

 

だからといって、

給与が低いと文句を言う人の給与を上げたり、

休みが少ないと文句を言う人の休みを増やしたりするのは

一見正しい事のように見えるけれど、

実は問題の先送りなような気がする。

 

なぜなら、そうやって文句を言う人は、

自分が仕事が楽しくなくて、

できるだけ働きたくなくて、

文句を言ってるケースが多いから。

 

だから、給与を上げても、休みを増やしても、

仕事を楽しめるようにならなければ不満は募る。

 

逆に仕事を楽しめるようになれば、

感情的に文句を言わなくなる。

 

給与や休みの事でも、

会社の未来のためにどうしていくのがいいか、

もっと建設的な議論ができるようになるはず。

 

 

とはいえ、現実的に、

感情的に文句を言ってくる人に対して、

「この先どうしたら仕事をもっと楽しめるか考えよう!」

なんて未来の理想について話そうにも、

ごまかしているようにとらえられて、

「そんな事を言っているんじゃないんです!」

「とにかく休み・給与を増やしてください!」

と建設的どころか、さらに不満を募らせる事もある。

 

上司の中には本当にそれで

ごまかそうとする人もいるからタチが悪い。

 

文句を言う人が見ているのは、

言ってる事とやってる事のズレ。

 

「社員の幸せのために・・・」

「お客様の笑顔のために・・・」

とカッコいいことを言いながら、

行動がともなっていないと

「コイツ大丈夫か!?」

と信用できなくなり文句を言いたくなる。

 

 

でも、

言っている事とやっている事が違うのは、

誰にでもよくある事。

 

教育について熱く語る先生自身の

子供・社員教育がうまくいってなかったり。

 

世界平和を語る人の

会社・家庭が荒れていたり。

 

どうしても、

視座が高い人ほど、

足元が弱くなる傾向に

あるような気がする。

 

そのため、

大きな夢を語って行動する人ほど、

簡単に揚げ足を取られがち。

 

 

視座が高い人ほど、

言っている事とやっている事が違うように見えやすい理由は、

アプローチが違うから。

 

目の前の困っている1人に対して、

自分の時間を使ってなんとかしようとするか?

 

それとも、

その人の奥にいる多くの人も含めて、

困らないようなしくみを作ってなんとかしようとするのか?

 

視座が高い人ほど、

目の前の課題が気にしないのか、

気にならないのかわからないけれど、

目の前の課題を保留したまま

全体の事・未来の事を考えて突き進む。

 

例えるなら、

部屋が汚くて困っているのに、

掃除をする時間を惜しんで、

全自動掃除機を開発しようとするイメージ。

 

「部屋を綺麗にする」

という辿り着かせたいゴールは一緒でも、

アプローチがぶっ飛んでいるので、

なかなか理解されない。

 

「そんな研究している時間があるなら、部屋の掃除をしろ!」

と怒られてしまいがち。

 

 

私も昔、自分が理解できないすごい人を

バカにしてしまっていたけれど、

自分が理解できない何かに出会った時、

「自分の知識が足りないから理解できない」

と思うのではなく、

「相手がアホ」

と決めつけて納得しようとする人はいる。

 

目の前の小さな課題を指摘され、

「自分でもできていないクセに!」

「人に教える前に自分の事をしっかりやれ!」

と責められて炎上しがち。

 

よく考えている人ほど、

あまり考えていない人に

バカにされるものなのかもしれない。

 

 

でも、

お互い悪気がある訳ではなくて、

見ている部分が違うだけ。

 

家庭でも、会社でも、

現場に近い人ほど、

目の前の事を考えるのに比べ、

現場から離れている人ほど、

全体の事・未来の事を考える。

 

全体の事・未来の事を考えている人からすると、

「なんでこんな小さな事で」

と思うけど、

目の前の事で精一杯な人からすると、

それがとても重要な事で、それがすべて。

 

未来についての

どんな説明をしても噛み合わない。

 

ある程度課題を保留にしてままでも、

きちんと結果を間に合わせられれば後で笑い話になるけれど、

結果が出せなければ耐えきれずに終わる。

 

 

 

理想と現実、短期と長期。

両方とも大事で、

お互いにやりあっているだけ。

 

どちらかが間違っている訳ではなく、

どちらが偉いという訳でもなく、

両方正しくて、ただ役割が違うだけ。

 

視座が高い人が視座が高くいられるのも、

現場で頑張ってくれている人がいるからこそ。

 

今現場で頑張っている人が、

現場で頑張っていられるのも、

視座の高い人がその状況を築いてくれたからこそ。

 

目立っている方が偉いと

勘違いされがちだけど、

どちらも大切。

 

お互い支え合っている事が理解できれば、

言い争いも含めて価値がある事がわかれば、

人間関係の問題も問題ではなくなっていくような気がします。