「知らない事を知りたい」

と知的好奇心に突き動かされて、

いろんな事を勉強して、

いろんな境遇の人を取材してきたけれど、

役に立つかと言われると、

意外にそうでもない事も多い。

 

ただ楽しいだけで、

知る事がデメリットになる事もある。

 

例えば、

「お金さえあれば豊かになれる」

「可哀想な人を助けたら社会は良くなる」

「悪い人を叩いたら悪い人はいなくなる」

など、何かを信じている時は、

考え方がシンプルで迷いがない。

 

だから困難があっても、

強いエネルギーで突き進む事ができる。

 

それが、

メリットの裏には必ずデメリットが必ずある事がわかると、

そうせざるを得なかった人の気持ちがわかるようになると、

結果の裏には原因がある事がわかると、

「本当にこれでいいんだろうか?」

と迷いが生じてエネルギーが弱まる。

 

考えすぎるほどに、

行動しにくくなる。

 

 

仕事でも同じ。

「何かをしたい」

と言っているお客様の話を受け入れて、

シンプルにそのために自社でできるお手伝いをすれば、

普通に感謝されてお金がもらえる。

 

それが勉強して、

いろんな事がわかるようになると、

「この人は本当にそれを望んでいるんだろうか?」

「この人には自社の商品・サービス以外の方法がいいのかもしれない」

などと考えてしまいがち。

 

すると、

余計に時間がかかって、

仕事にならず、

いい事をしてあげたはずなのに、

お金がもらえなくなる事も増える。

 

こんな事はきっと、どの職業でもある事。

 

例えば、

「ダイエットがしたい」

と言っている人に、

「この人はダイエットがしたいんじゃなくて、頑張りを認めて欲しいだけ?」

「そのままでも綺麗なのに、痩せたら余計に不健康になるかもしれない?」

と深読みするほど、よくわからなくなる。

 

それよりも、

「人は痩せれば痩せるほど幸せになれる」

と信じ込んで、自社の商品・サービスを勧める人の方が

シンプルで強いエネルギーで行動できる。

 

気持ちよく仕事ができて結果も出せる。

 

ヒアリングをしっかりしたからといって、

それでお客様に喜んでもらったからといって、

単価・利益が増えるとは限らない。

 

「ダイエットのしすぎは健康に悪い」

と言っている事がもし正しかったとしても、

それで相手が喜ぶとは限らない。

 

勉強して、知識をつけて、

聞かれた事に真摯に答えたところで、

「そんな事は常識的におかしい!」

「そんな事あるはずがない!」

とそう思いたくない人から叩かれがち。

 

 

こうなってしまう原因は、

人は感情で動いているから。

 

正しさはワクワク感と相性が悪い。

 

ワクワク感は、

「いったいどうなるんだろう?」

と未来に対する期待によって生まれるもの。

 

想定できないからこそ面白いんであって、

結果が見えてしまうと、

先読みができすぎると、

ワクワク感は失われる。

 

もし未来予知ができる人がいるとしたら、

その人はギャンブルを楽しめないに違いない。

 

勝ち負けが100%わかっている勝負事は

ワクワク感がなく、ただの作業でしかない。

 

 

攻略本通りに進めるゲームが楽しくないように、

ワクワク感や楽しさを追求するならば、

将来の事なんて知らない方が楽しい。

 

もしかすると、若い人に、

「やりたい事がわからない」

と言う人が多いと言われるのも、

知識武装しすぎてしまっているからかもしれない。

 

「やりたい事がわからない」

と言う人はきっと、

「やりたくない事をやらない」

を優先している。

 

「やりたい事をやる」と、

「やりたくない事をやらない」

は似ているようで違う。

 

やりたい事をやろうとすると、

やりたくない事もでてくる。

 

やりたくない事をやらない事を優先すると、

やりたい事がわからなくなる。

 

失敗しない事が正しいと、

人に迷惑をかけない事が正しいと、

教えるほどに何もできなくなっていく。

 

 

でもそれも悪い事ではなくて、

そこにもメリットがある。

 

悩みを減らす事を優先するなら、

ただ安定した暮らしを望むなら、

「チャレンジしない」

という選択はとても合理的。

 

「成功者は悩みがない」

なぜか思われがちだけれど、

チャレンジすればするほど

悩みも抱えるリスクも増えるという事が

若い人達にはきっとバレている。

 

成功したら、

欲しい何かを手に入れたら、

幸せになれる思っている人は多いけれど、

それは一時的なもの。

 

苦しんで頑張った結果、

思っていたのと違うとショックを受ける。

 

大きなリスクを背負って、

成功する事に大きな期待をしても、

そこに人生の意味や価値を求めても、

それで感情が満たされるとは限らない。

 

 

そう思うと、

きっとこれからの時代のチャレンジは、

肩肘に力を入れて、リスクを背負って、

「成功のためにチャレンジするぞ!」

と頑張る感じではないような気がする。

 

全力で今を楽しむ結果として

悩み事やリスクを感じさせず、

いつの間にかチャレンジしていたという

自然な感じでのチャレンジ。

 

成功していても、

成功していたと感じさせないくらいの、

自然な感じでの成功。

 

苦しんで頑張って

うまくいかせるような価値観は

もう古いのかもしれない。

 

ワイワイ楽しんでうまくいく

新しい形をもっと追求していきたいです。