「困っている人を助けたい!」

とステキな想いを持って

起業したり、事業をしたりする人は多い。

 

でも、そういう人に限って、

「困っている人をなかなか探せなくて困っている」

というのはよくあるケース。

 

そんな人が辿り着くのが

広告会社や営業会社。

 

お金を使って、チラシ・DMを送ったり、

お金を使って、営業社員を雇ったり、

お金を使って、代理店制度を作ったり。

 

でも、費用対効果が悪くて

苦しむのもよくあるケース。

 

困っている人を助けたくて、

逆に自分が人・モノ・金で困ってしまうという、

ミイラ取りがミイラになるような現象がいろんな所で起きている。

 

 

傾向として、

困っている人に対する想いが強すぎる人ほど、

広告・営業に失敗しやすい。

 

その理由は、

思っている以上にニーズが少なくても、

それを信じられないから。

気付けないから。

 

それは、

凶悪犯と絡む仕事ばかりしている人が

社会は悪い人ばかりと感じるのと似ている。

 

例えば、

健康関係の仕事をしている人は、

健康のためでも100円をケチる人が

意外に多い事実をよく見失う。

 

例えば、

アパレルの仕事をしている人は、

シーズンが来ても新しい服を全く買わない人が

意外に多い事実をよく見失う。

 

商品・サービスを売っている人は、

それが欲しい人ばかり見ているから、

みんなにも売れると期待してしまいがち。

 

何かの商品・サービスで自分が感動すると、

裏付けも取らないまま、

みんなにも売れるはずだと錯覚して

先走ってしまいがち。

 

そんなタイミングで、

広告や営業を売る人から、

「この商品・サービスならいけますよ!」

「こんな広告・営業したらもっと売れますよ!」

「もっと拡大しないともったいないですよ!」

と褒められて乗せられると、

夢を見て投資をしたくなってしまうもの。

 

需要と供給がうまく噛み合って、

広告費・採用費・人件費・研修費・家賃・システム費用など、

困っている人を助けるためにと多額のお金が動く。

 

 

それが、多くの人を助けるための

ステキな投資になるケースもあるけれど、

そうならないケースもとても多い。

 

ほとんどの場合、使ったお金は、

困っている人を助けるための

商品・サービスの価格に上乗せされる事になる。

 

使った分、割高になって、

余計に売れなくなったり、

お金・数字に振り回されて、

本来やりたかった事ができなくなったり。

 

いつの間にか、

「会社を存続させるためにもっと売れ!」

「お客様の事なんていいから目標を達成させろ!」

などと、困っている人を助けるという本来の目的から

かけ離れた事を言うようになってしまう人もいる。

 

 

商品・サービスが本当に良いものであれば、

小さくても口コミ・紹介で

必要な人にジワジワ広がっていく。

 

小さくても発信し続けていれば、

本当に困っている人がいれば、

タイミングで頼って来てくれる。

 

ステキな想いでやっている事業なら、

いい仕事をしている会社なら、

採用だって縁故・紹介中心にうまくいく。

 

限られた時間・お金を

価値を高めるために使えていれば、

事業はきちんと成長・存続する。

 

でも、

必要以上に固定費を上げてしまうと、

お客様が喜ばない事に過剰投資してしまうと、

すべてが悪循環で回りやすい。

 

 

 

広告・営業会社の立場からしてみると、

いい商品か悪い商品かは

広告・営業をやってみた結果、

お客様が決めるという考え方もある。

 

確かに、良くない商品を売ろうとするほど、

広告・営業コストが過剰にかかって経営に負担をかける。

 

良い商品を売ろうとするほど、

広告・営業しなくても売れるから

広告・営業コストが少なくて済む。

 

でもそれは

「たくさん売れる商品=良い商品」

という数字至上主義的な考え方。

 

でも今は、個性が重視されるようになって、

1人1人に刺さるものは違ってもいいと考えられるようになってきた。

 

だから、

売れるから良い商品とは限らないし、

売れないから悪い商品とも限らない。

 

でも、現状の広告・営業のあり方が

優しさを忘れて数字を追求しすぎているように思えて、

気持ち悪い時もある。

 

タダでも応援したいと思える人は広告・営業会社に応援されず、

お金をたくさんもらわないと応援したくないと思える人が

広告会社や営業会社に応援されている現状は

なんだか歪んでるようにも思える。

 

 

きっと仕事も一緒。

 

大儲けしないとやりたくないと思いながらやる仕事っぷりで、

人を感動させられるほど甘くはないような気がする。

 

それよりも、

損してでもやりたい事を本気でやり続けた結果、

想像を超える感動を生む商品・サービスになるような気がする。

 

それが結果として成功に繋がるはず。

 

 

困っている人を助けたいと

強い想いを持つのはステキだと思うけれど、

頑張ってやればやるほど、

こんなに頑張っているんだからと結果を期待して苦しくなる。

 

それよりも、

困っている人を助けられるかどうかなんて気にならなくなるくらい、

自分が好きで楽しんで続けていければ、

結果として、無理なく自然な形で困っている人を助けられる。

 

人助けを頑張るのもいいけれど、

まずは自分が楽しめる事をやり続ける事が

心の健康の意味でも重要なような気がします。