もし世界に自分一人しか存在しなかったら、

人間関係の悩みは全部なくなる。

 

そう思うと、

言いたい事が言えないのも、

やりたい事ができないのも、

他人の目を気にしすぎているから。

 

他人の目を気にせず今を生きる人は、

子供が宿題そっちのけで遊ぶように

好きな事をなんでもやろうとする。

 

それができない優しい人ほど、

我慢してストレスを抱えてしまいがち。

 

 

 

他人を気にし過ぎて

自分を第一に考えられない人、

その癖が付いている人は大変。

 

お金でも、

自分が受け取って喜ぶだけでいいのに、

お金を自分が受け取る事で、

相手のお金が減る事に目がいきがち。

 

社長でも、

自分たくさん給与をもらうと、

社員の給料が減るからと、

給与を必要以上に抑えている人も多い。

 

 

 

物質的に考えるとすべては有限。

 

「受け取る」と「失う」はセットになる。

 

例えば、

冷蔵庫にあるケーキを食べたらなくなる。

その分他の人が食べられなくなる。

 

忙しい人の時間を自分に使ってもらう事で、

その人の時間は失われる。

その分他の誰かに時間を使えなくなる。

 

自分が好きな人と恋人になる事で、

同じ相手を好きと言う友達は

恋人になれなくなる etc

 

この考え方は別に間違ってはいない。

 

でもこれだけで考えると重たい。

 

自分が何かを手に入れる代わりに、

誰かが何かを失うと思うと、

他人に気を使い過ぎる事になりがち。

 

強いエネルギーで行動できなくなる。

 

 

競争が嫌いな人、

受け取り下手な人は

たいていこのゼロサムゲーム的な考え方で

物質的に物事をとらえている。

 

すると、自分が何かを手に入れる事で

他の誰かが何かを失って悲しむと認識して、

自分の価値を信じられなくなりがち。

 

 

その世界観で生きている人・生きてきた人にとって、

他人の目を気にしない人が言う

「自分が受け取って喜ぶ事で、周りの人も喜んでくれる」

「自分が受け取る事でみんなを喜ばせられる事が嬉しい」

みたいな考え方を聞いても

全く意味がわからないはず。

 

 

 

他人を目を気にする人にとって、

その考え方がわかりにくいのは、

物質世界の話と精神世界の話を

同じ土俵で、ごちゃ混ぜにして

とらえようとしてしまうから。

 

他人の目を気にしないように見える人ほど、

モノよりも心を重視しているように思う。

 

それはつまり、

「モノを使って心を満たす」

という考え方。

 

先ほどの例でいくと、

例えばケーキだって、

食べて幸せになるためにあるんだから、

なくなればまた買えばいいと考える。

 

時間だって使うためにあるんだから、

相手が忙しかろうが、

同じ時間を一緒に楽しめる事が嬉しいと考える。

 

恋愛だって、

誰かを好きと思えている今が幸せで、

結ばれても結ばれてなくても

その時の気持ちが大切と考える。

 

物質は有限でも、

感情は無限。

 

どれだけ喜んでもなくならない。

どれだけ味わっても減らない。

 

さらに、人と人とで無限に

喜びを分かち合う事ができる。

 

「お互いが受け取る」という事ができる。

 

溢れ出るように受け取る事ができる。

 

たとえ物質的には貧しくても、

精神的に豊かな人は幸せでいられる。

 

 

とはいえ、

他人の目を気にする人が悪い訳でもない。

 

人を気遣う事ができるのも立派なスキル。

 

でも、そのスキルも、モノも、

きっと心を満たすために存在するはず。

 

私たちが仕事で、

商品・サービスを提供するのも、

身近な人に、またどこかの誰かに、

笑顔でいてもらうため。

それで自分が役に立てる喜びを感じるため。

 

お金だって、

自分を含む誰かに

喜んでもらうために使うもの。

 

それが、モノ・お金を守ろうとして、

所有する事に縛られて、

スキルの使い方を間違えて、

心が満たされなくなるのは本末転倒。

 

好きな事をしてモノ・お金が減ったり、

なくなったりしても、

心が満たされれば嬉しいはず。

 

なのに、

それを物質的に測ろうとだけしてしまうと

幸せを見失いがち。

 

 

物質世界の特長は、

比較論や相対評価で

わかりやすく測れる事。

 

これはこれで、

万が一の事が起きても対応できるように、

安心・安全に生活していくために大切な考え方。

 

でもそれは、

今、幸せかどうかとはまた別物。

 

精神世界にある

目に見えない価値、

比較できない価値、

溢れ出るような価値も

幸せを感じるために大切な考え方。

 

両方あるからこそ安心・安全かつ

心豊かに生活できるようになっているはず。

 

 

他人の目を気にしすぎても、

心豊かに生活できなくなる。

 

他人の目を気にしなさすぎても、

他人と衝突して安心・安全を脅かす。

 

他人の目を気にしない事が大切と言われがちだけれど、

他人の目を気にする事だってきっと大切。

どちらも大切にしていきたいです。