突然すごいお金を請求されたり、

怖い人から脅されたり、

信じていた人に裏切られたり、

人に恨まれて貶められたり、

人間不信になって人に会うのも嫌になったり。

 

いろんな人に迷惑をかけながら、

自分なりに色々経験してきたつもりだけど、

今でも何かを失うリスクとは隣り合わせ。

 

大切な何かを失った時、

失いそうになった時、

笑顔でいられるかはわからない。

 

 

でも冷静に考えれば、

何かを失ったり、

失いそうになったとしても、

やるべき事は変わらない。

 

目の前の課題に向き合って、

ただ淡々と対処するだけ。

 

やるかやらないか?

退くか進むか?

変えるか変えないか?

 

冷静に合理的に判断して動くだけ。

 

 

 

ピンチの時ほど不安で悩むと思われがちだけれども、

本当にヤバい時は、

「どうしよう?」

なんて考える余裕さえないままに、

いつまでに何をしなければならないかが半自動的に決まっていく。

 

余計な事を考える暇もなく、

やるべき事を必死にやるしかないので、

言うほど不安で悩む事もない。

 

それよりか、

どうしようもなくヤバい状況に陥るほどに、

覚悟が決まって心は安定する。

 

外から見ると、

中途半端に余裕のある人よりも

ヤバくなさそうに見えるかもしれない。

 

人がお金の事で悩むのは、

お金があるからであって、

本当にお金がなければ、

悩む余地さえなくて悩まないんだと思う。

 

 

 

ピンチの時に辿り着くのは、

やるべき事をやるだけやって

それでもダメなら仕方がないという境地。

 

大切な社員を泣く泣くリストラさせた社長や、

思い入れのある会社を廃業させたりした社長の

取材をさせていただいた事もあるけれど、

不安で悩むとかではなかった。

 

仕方がないけれど、

仕方がないでは済ませたくなくて、

それでもどうしようもなくて。

 

結局は、誰にどんな批判をされようとも、

ただ自分の役割を果たすべく、

物事を前に進めるしかないのが責任者の立場。

 

将来の不安とか言うけれど、

元々将来なんて予想ができないもの。

 

状況を知らない無責任な人の批判に惑わされる事なく、

ただすべてを受け入れて動くだけ。

 

そこに不安で悩む事はないはず。

 

ではどんな時に人は不安で悩むんだろうか?

 

 

もし苦しい状況に立たされて、

不安で悩んで押し潰されそうになっているとするならば、

それはきっと現状に抗おうとしている証拠。

 

目の前の事を、

当たり前のように合理的に対処しているだけなら

何も考えずにやっていける。

 

でも、その合理的な対処の枠から外れて、

合理的ではないとわかっていながらも、

あえて抗って違う選択をしようとするからこそ悩む。

 

このままでは現状を守れないと

心のどこかでわかっていながらも、

変化に対して抗おうとするからこそ不安になる。

 

だから、不安で悩んでいる人は、

みんなチャレンジャーなのかもしれない。

 

そう思うと、

そんなチャレンジャーに、

「やめた方がいい」

「こうした方が得だよ」

みたいなアドバイスが受け入れられないのは当たり前。

 

合理的ではないとわかっているのに立ち向かう人は、

何らかの美学・コンプレックスを原動力にして動いているケースが多い。

 

正論は余計なお世話。

 

それよりも、

その人を肯定するように話した方が

一歩踏み込んだ話ができて面白い。

 

「それでもやりたいんでしょ?」

「それが好きなんでしょ?」

と投げかける事で、

本人がマゾであると受け入れた時に見せる笑顔が個人的に好き。

 

自分の美学を大切にしてもがく事は、

とてもステキだと思う。

 

 

 

不安で悩んで、

被害者意識に囚われて

苦しくなる事もあるかもしれないけれど、

結局それは合理的な判断ではなくて、

個人的な趣味でやっている事。

 

誰のためでもなく自分自身が、

会社が好きだから、

仕事が好きだから、

仲間が好きだから、

お客様が好きだから、

身を削ってやりたい事をやっているだけ。

 

好きな事に見返りはいらない。

受け入れられると自然体で頑張れる。

 

趣味でゴルフをしているのと同じ感覚で、

誰にも認められなくても、

わかってもらえなくても、

褒めてもらえなくても、

損をしても、

それでも好きだからやっていると認識できれば、

余計な期待が外れてイライラしなくなるはず。

 

 

 

不安で悩んで押し潰されそうになった時こそ、

不安で悩んでまで守りたい

自分にとって本当に大切な何かに気付くチャンス。

 

手放せば簡単に楽になれるという選択肢もあるにもかかわらず、

それでも自分の美学を大切にする人でありたいし、

そんなチャレンジする人を応援していきたいです。