悟り

悟り。

執着と欲望を捨てたやすらぎの境地。

 

とても時間がかかったけど、

その意味がやっとわかってきたような気がする。

 

例えば、

ゴキブリが怖いから殺虫剤で殺す。

 

どれだけ

強力な殺虫剤を開発して殺したとしても、

絶滅させない限りゴキブリは出てきてしまう。

 

だからこそ、

本当にゴキブリの恐怖から開放されるためには、

殺虫剤でゴキブリの恐怖と戦うのではなく、

受け入れた方が根本的な解決になる。

 

ゴキブリを調べて、飼育して、観察したりして、

蛍みたいでカワイイと思えるようになれば

ゴキブリが怖くなくなる。

 

実際、ウチの5歳の息子は、

ゴキブリを見つけると、

目を輝かせて楽しそうに追いかけている。

 

 

お金がなくなる恐怖に縛られて、

貯金したり、保険に入ったりするのも同じ事。

 

どれだけたくさん貯金しても、

たくさん保険に入っても、

お金がなくなってしまうリスクはゼロにはならない。

 

だからこそ、

お金の不安に振り回されてしまう人ほど、

お金に執着するのではなく、

お金がなくても大丈夫だと、

心から信じられるようになった方が楽になれる。

 

最悪、無一文になってもいいと、

お金がなくなるかもしれない自分を、

許して受け入れる事ができれば、

お金の苦しみから根本的に開放される。

 

会社経営もそう。

 

社長は強くカッコよくあらねばならない。

会社は成長させなければならない。

社員の雇用を守らなければならない。

会社を倒産させてはならない。

 

そんな幻想から逃れられると楽になれる。

 

給与を払えず社員に辞めてもらう事に

なるかもしれない自分を、

または、倒産してお世話になった人に

迷惑をかけてしまうかもしれない自分を、

許して受け入れる事ができれば、

もっとのびのび楽しく経営できるようになる。

 

しなければならない事なんて何もなくて、

本当はすべてが自由。

 

単純で当たり前の事だけど、

何か縛られて頑張ってきた人にとって、

「しなければならない」を手放して自由になるのは一苦労。

 

わかったとしてもなかなか受け入れられない。

 

私を含め、多くの人が固定概念に縛られて、

漠然とした不安と戦ってしまっているような気がする。

 

 

根本的な不安を解消するために、

不安を受け入れるには、大きな痛みを伴う。

 

変化しなければいけない。

頑張らなければならない。

成長しなければならない。

稼がなければならない。

 

そうしなければ、

人が去っていって孤独になって

寂しい思いをするような恐怖が付きまとう。

 

でも結局、そんなものは幻想で、

すべて意外になんとかなる。

 

だからこそ、何もなくて、

カッコ悪い生身の自分を、

認めて許してあげた方がいい。

 

たったそれだけで心穏やかでいられる。

 

そのままでも大丈夫。

生きてるだけで丸儲け。

人に迷惑をかけて生きたっていい。

生きるのが嫌なら死んだっていい。

 

悟りってこんな事のような気がする。

 

とはいえ、

みんなが悟って幸せになったとしたら、

それはそれで退屈かもしれない。

 

現状肯定して幸せになると、

チャレンジ精神が失われやすい。

 

現状に不満を持っている人のおかげで、

新しい何かが生まれる。

 

そうやって社会は進化している。

 

人間ってやっぱり面白い。

色々な人がいるから面白い。

 

社長や社員の生き様について、

話を聞いて物語を作らせていただける今の環境に感謝して、

これからも深く考察して発信していきます。