豊かになって、

モノが足りなくて困っている人は

ほとんどいなくなった。

 

お金がないと言っている人も、

たいていが今、生活に困窮している訳ではなくて、

何らかの不安を解消する手段としてお金が必要なだけ。

 

今の時代に求められているのはきっと、

不安、孤独、寂しさなど、

心が満たされてなくてモヤモヤしている人に

癒しを与えられるような商品・サービス。

 

とはいえ、心は外から見てもわかりにくく、

その人自身も認識できていない事が多いので取り扱いにくいもの。

 

お客様に対しても、社員に対しても、

何かしようと思ったらおせっかいになるしかない。

 

 

しかし、おせっかいは難しい。

 

親切なアドバイスしているつもりが、

余計なお世話になってしまっている事がよくある。

 

たいてい相手は空気を読んで口には出さない。

 

気が付くには、勇気を出してしつこく聞くか、

察するしかないから大変。

 

 

特に何かのキッカケで変われて喜んだ経験のある人ほど、

相手も同じようにキッカケを与えたら喜ぶはずだと、

アドバイスしようとする。

 

しかし本気で変わりたいと思っている人は

それほど多い訳じゃない。

 

変化にはストレスが生じる。

 

痛い話や苦しい事は

人を成長させるとわかっていても、

できる事なら避けたい。

 

それでもおせっかいな人は、

もっとこうしたらいいと一生懸命伝えたがる。

 

さらに、人によっては、

「あなたのコレがダメだから成功しない」

と否定してその人自身が思う正しい道に導きたがる。

 

 

しかし価値観は人それぞれ。

相手の成功と、自分の成功の概念自体が違う。

 

だから、コミュニケーションが成り立っていない事がよくある。

 

アドバイスする方は、

「こんなに一生懸命教えてあげているのに何でだろう?」

と、感謝されず寂しい気持ちになりがち。

 

アドバイスされる方だって、

これまで何も頑張って来なかった訳じゃない。

 

その頑張りを認められないまま否定されると、

「私のどこまでをわかった上でそれを言っているのか?」

と気持ち悪さを感じる事になってしまう。

 

アドバイスを素直に受け入れてもらえるのは、

相手が変化を求めていて、

さらに自分が相手に認められ、

教えてもらいたいと望まれている場合だけ。

 

 

組織の中で、管理職・責任者の立場の人や、

直属の部下に対する正当であるはずの要求さえ、

相手に意識・責任感がなければ、

余計なお世話になる。

 

「あなたの役割だから」と正論を言ったところで、

できない理由を言われて進まないだけ。

 

 

社会にはいろんな人がいる。

 

・活躍して認められる事に生きがいを感じる人。

・稼ぐ事や昇進する事に興味がなく、自由であるだけで幸せな人。

・指示された事を指示された通りにやる事が好きな人。

・誰かのせいにして、自分が被害者でいる事に心地よさを感じる人。

 

それは、その人が色々な経験をして、辿り着いた価値観。

 

何が正しくて、何が正しくないかなんてものではない。

その人の過去の話をじっくり聞けば必ず受け入れられるもの。

 

自分の勝手な価値観で判断するのは失礼に当たる。

 

 

結局、アドバイスは長所伸展。

無理にアドバイスしたって伝わらない。

その気がある人の背中を押す事しかできない。

 

 

だからまずは、自慢でもアドバイスでもなく、

ただ自分の経験を雑談レベルで楽しく伝える。

自分が今、ワクワクしている事について伝える。

 

それで相手が興味を持ってきたら詳しく話す。

望まれているか確認してから、

アドバイスするくらいがきっとちょうどいい。

 

 

人からやらされた事や、

本気ではない「やりたい」では

成長の過程で出てくる

痛い話や苦しい事はなかなか乗り越えられない。

 

自分の意思でやると決めた事を

ワクワク楽しんでやっていれば

強いエネルギーで乗り越えられるような気がする。

 

 

親切なアドバイスと余計なお世話は紙一重。

内容よりも伝え方。

 

まず前提として自分自身が今を楽しみ幸せである事。

そして我を出しすぎない事。頑張りすぎない事。

 

気を付けていきます。