人生を楽しむ。

 

誰もが望むはずの事なのに、

組織・社会の中でそのための行動をするのは、

意外にスムーズにいかない。

 

実際、

「幸せを追求すると数字が落ち込む。」

「綺麗事で成功なんてできない。」

などとよく言われる。

 

確かに一理ある事だし、

否定し切れない現実でもある。

 

でもそれは当たり前の事。

 

というのも、

人生を楽しもうとする人の目的は、

お金を儲ける事でも、

成功者として評価される事でもないから。

 

人生を楽しんでいる人ほど、

考え方や、お金・時間の使い方が常識はずれ。

 

だから、儲かっていない人もいるし、

報われていないように見える人もいる。

 

 

お金は手段。使うためにある。

 

人生を楽しむために、

やりたい事をやるために、

必要なお金を集めて使う。

 

だから手元にお金があまり残らなくなるのは自然な事。

 

それは本来、会社も同じ。

 

誰かに喜んでもらう事を目的にしている事業なら、

お金があればそのために

ドンドン投資してしまうのが自然な事。

 

毎年の売上や利益はただの途中経過。

 

「どう儲けるか?」に気を取られて、

毎年、増収増益を追求しようとする方が、

ある意味不自然なのかもしれない。

 

 

私も150人以上もの社長を取材してきて、

少しはわかるようになってきた。

 

人生を楽しんでいる人は、

成功の概念や、

“もったいない”の基準が違う。

 

人生を楽しんでいる人ほど、

お金では買えないもの、

目に見えないものを大切にしている。

 

「目に見える何か」と引き換えに、

「目には見えない何か」を

手に入れようとする傾向にある。

 

それは常識的に考えると、

失敗しているように見える。

損しているように見える。

 

でも人生を楽しんでいる人は、

そこに大きな価値を見出している。

 

 

そして本当に今を楽しんでいる人は、

「他人の評価なんてどうでもいい」

という領域に達している。

 

たとえ他人から成功していないように見えたとしても、

本人は人生を楽しんでいるから問題ない。

 

不特定多数の関わりのない人に対して、

あえてわかってもらおうとする事が時間の無駄という考え方。

 

その結果、

「あの人変わっているよね?」

と他人から世捨て人のように、

勘違いされる事になりがち。

 

 

さらに、

人生を楽しんでいる人達は、

人生を苦しんでいる人達に、

非難される傾向にある。

 

なぜなら、今の自分に自信がない人ほど、

自分とは違うあり方・やり方を

間違っていると非難する事によって、

自分の正しさを証明したくなるものだから。

 

 

我慢して生きている人ほど、

自由に人生を楽しんでいる見ると嫉妬する。

 

苦しんで生きている人ほど

苦しまずに成功した人を見ると、

苦しんだ自分の過去を否定されたように感じて許せなくなる。

 

「苦しまなければ成功できる訳がない」

と苦しむ事に強く執着している人はきっと、

苦しんだ自分をもっと認めて欲しい人。

 

物質的には満たされていたとしても、

心が満たされていない状態。

 

そのような人が、

自分のやり方が正しいんだと、

組織の中で、社会の中で、

大きな声を上げる事で

常識・固定概念が作られていく。

 

逆に今人生を楽しんでいる人は、

心が満たされているので、

他人に対してあえて大きな声で

何かを発信しない傾向にある。

 

自分の生き方に自信・誇りを持っているからこそ、

他人にあえて自分のあり方・やり方を押し付けようとしない。

 

だから相対的に、

人生を楽しんでいない人の声の方が大きくなる。

 

人生を楽しんでいない人に強く影響されて

組織・社会が動いていく事になる。

 

そのため余計に、

人生を楽しむ事が常識はずれになっていく。

 

 

とはいえ、きっとそれも悪いことではない。

 

すべては必要必然。

常識・固定概念も必要だから存在しているもの。

 

仕事が楽しくなくても、

お金に振り回されていても、

「それが当たり前」

という常識・固定概念があるおかげで、

心が救われる人もいる。

 

どうやったら人生を楽しめるかに正解はない。

 

過去の暗黒時代を乗り越えて、

急に人生を楽しめるように変化できた人ほど、

「変わる方が正しい」と伝えたがる傾向にあるけれど、

きっとどちらが正しいという事でもない。

 

誰かのせいにして愚痴をこぼすのが楽しい人もいる。

変化しない事に癒しや喜びを見出す人もいる。

 

だから何もかもどっちでもいい。

それぞれが好きな道を選択すれば大丈夫。

 

 

結果が出なくても、

お金がもらえなくても、

わかってもらえなくても、

否定されても、

本当にやりたい事ならやる。

 

社会がどうであろうが、

組織がどうであろうが、

人生を楽しむ人は

成功・評価という概念を乗り越えて

トコトン楽しむ事ができる。

 

 

誰かの役に立つ事は、

自分の人生を楽しむ延長線上にある。

 

いい意味で人生を楽しむ天才とアホ。

 

そんな人達が表で裏で、

人の喜びを増やすために

組織・社会を動かしてくれている。

 

組織的・社会的サポートなんてなくても、

自らの人生を楽んで、

さらに誰かの役に立ってしまうような人達がいる。

 

報われなくても、評価されなくても、

それでも行動してくれる素敵な人達のおかげで

成り立っているように見える今の組織・社会。

 

色々あるとは思うけど、

これはこれでとても素晴らしい事だと思うのです。