スキャンダルや犯罪に対して、

「罪を償え!」「責任を取れ!」

と言う人はいるけれど、

私にはその言葉の意味がわからない。

 

例えば、

人を殺めてしまったとして、

どうすればその罪は償えるのだろうか?

どうすればその責任を取れるのだろうか?

 

法律に則って、

罰金を払って、刑務所に入って、もしくは死刑になって、

そうすれば、本当に罪を償い、責任を取った事になるのだろうか?

 

起こってしまった事は取り返せない。

加害者が何かをしたところでどうにもならない。

 

辞任したり引退したところで罪なんて償えないし、

責任なんて何をしたって取りようがないのに、

それでも、「罪を償え!」「責任を取れ!」と言う人がいる。

 

 

結局のところ、

それに関わる人の気が収まるかどうかでしかない。

 

そう思うと、

「罪を償え!」「責任を取れ!」

と言う人はきっと、

「被害者が苦しんでいるのに、加害者が苦しんでいないのはムカつく!」

という嫉妬で足を引っ張りたいだけのような気がする。

 

現実的に考えてしまうと、被害者が加害者に対して、

最大限にお金を支払ってもらう事を考えるのであれば、

被害者は加害者を早く許して応援した方が合理的。

 

幸せになってもらって、

心身ともに健康なまま、長く多く稼いでもらって、

その一部を自分に・社会に還元してもらうのが一番。

 

しかしそれは感情的に許せない。

 

それもあってか、裁判で勝ったところで現実は、

4割の加害者に賠償金を踏み倒されている。

 

 

相手を不幸にさせたって、

自分が幸せになれる訳ではないと

誰しもわかっているはず。

 

しかしそれでも、非合理的な事は至る所で起こっている。

 

 

例えば、やりたい事をやって幸せな人は、

今、やりたくない事を我慢してやっていて苦しんでいる人から、

嫉妬の感情で責められる。

 

楽しんで稼いでいる人、

豊かになって恵まれている人ほど、

足を引っ張られやすい。

 

たくさんの税金を納めて社会の役に立っている人が、

人よりも成果を出して組織の役に立っている人が、

よくわからない感情論で、

直接関係のない人にまで責められて失脚する。

 

 

生活保護を「ズルい!」と叩くのもそう。

 

食べるものさえ困っている人や、

お金のために何でもできてしまう心貧しい人は

何をし出すかわからない事を考えると、

生活保護は治安を守る意味では素晴らしい制度。

 

犯罪を犯した後に警察を使って捕まえるよりも、

先に生活保護を支給した方が平和でしかも経済的。

 

日本の司法制度・刑務所はとてもお金がかかる。

 

犯罪者を捕まえて裁判して判決を確定させるのにも税金がかかる。

刑務所に入れるにも1人当たり月20万円以上の税金がかかる。

 

服役させたところで、

言うほど更生される訳でもなく、

4割が再犯するという誰も得をしない制度。

 

「悪い奴は刑務所で罪を償え!」

と世論が傾けば傾くほどに、

余計な税金が増えて悪循環に陥るだけ。

 

「責任を取れ!」

と嫉妬して偉い人・有名人を叩いたところで、

それは社会的損失でしかない。

 

感情的に加害者を叩いたところで、

マイナスの影響しか与えない。

 

 

そう思うと、

みんなが笑顔になる道は1つしかない。

 

それは加害者も被害者も両方共を癒す事。

 

そしてどちらかと言うと、

加害者の方がある意味課題が多くて、

手を掛ける必要がある人。

 

なぜなら、加害者はたいてい、

愛情不足・知識不足etcで

そうせざるを得なかった背景があって

加害者になっただけだから。

 

「相手の気持ちを考えろ」と叱ったところで、

相手の気持ちを考える事ができない人が多い。

その意味さえわからない人が多い。

 

刑務所で罰を与えたところで、

無理に反省させたところで、

反省するフリが上手になるだけ。

 

 

結局のところ、

感情とうまく付き合って、

自分とは違う人・自分の常識から外れた人を

いかに受け入れられるかが問われているような気がする。

 

そしてこれは、どんな組織でも言える事。

 

性格に問題がある人、鈍臭い人、日本語がまともに通じない人etc、

そんな人を叱ってコントロールしようとしたところで、

性悪説・短所是正でどうにかしようとしたところで、

ほとんど何も変わらない。

 

管理する手間・コストが余計にかかるようになるだけ。

 

頭のいい人ほど、

自分の正しさを相手に押し付けようとしたがるけれど、

その枠に当てはまらない人には響かない。

 

頑張れば頑張るほどにイライラしてしまうだけ。

 

 

感情的になっても、そこに利はない。

 

感情とうまく付き合って、

相手のすべてを、ありのまま認める事。

非難しようとせずに、自分とは違うと受け入れる事。

 

 

誰かが誰かを叩くエネルギーを

自分やまわりの人が笑顔になれる方向に向かわせられたら、

社会はもっと優しいものになる。

 

自分のまわりに、自分の理解を超える意味不明な人がいたとしたら、

それはものすごいチャンス。

 

そんな人まで理解できたら

そんな人まで味方にできたら、

それは今までの自分にはなかった可能性を広げられる。

自分の器を広げられる。

 

相手を非難するのではなく活かす事。

 

私も意識してチャレンジしていきます!