最近のニュースで私の目を引いたのが、

「女優誰々とキスができるならいくら出せる?」

という「しらベぇ」のアンケート結果。

 

竹内結子、長澤まさみ、新垣結衣etc、

そうそうたる女優が並ぶけれど、

どの女優でも傾向として、

 

1円も出せないという人が約50%、

1000円・1万円払うという人が合わせて約35%、

そして、100万円払うという人が約2%という結果になっていた。

 

人によってその価値は、

お金換算で0円〜100万円までガラリと違う。

 

価値があると思う人にとってはとことん価値があって、

価値がないと思う人にとってはとことん価値がない。

 

これはまさに今のニーズの実情と、

これからのビジネスのあり方を

示しているような気がする。

 

 

これまでのビジネスの常識は一物一価。

 

1000円で売られている商品は、

高くてもせいぜい2000円まで。

 

国によってはチップの制度や、

値札・定価がなく人の顔を見て

値段を言うところもあるけれど、

日本にはそれがない。

 

だから2000円で買った人は、

後で1000円で同じ商品が買えた事を知ると、

嫌な気持ちになってしまう傾向が強い。

 

 

これまでは、トレンディドラマの影響か、

みんなが目指す幸せの形が似ていたために、

大量生産・大量消費の中、

似たような商品を低価格で流通させる形が

うまく成り立っていた。

 

しかしこれからは、

一人一人にとって異なる幸せを

追求するような時代。

 

一人一人の好み・多様性に合わせて、

国や地域を超えて商品提供をしようと思うと、

一物一価を前提にしたビジネスはやりにくくなっている。

 

特に競合がいないような新しい商品を提供する場合、

人によってその価値が違いすぎるために、

原価がいくらだとか、類似サービスがいくらだとかは関係ない。

 

99%の人から1000円が妥当だと言われたとしても、

1%の人から100万円を受け取るような事ができるかが、

ビジネスの成功・失敗を決めるポイントになっているように思える。

 

 

だからと言って、

100万円の価格設定にすると、

精神的に苦しくなる。

 

顧客側からすると、

面倒くさい売り込みが増えて鬱陶しい。

 

営業する人にとっても、

「高すぎる!こんなもの売れる訳がない!」

とほとんどの人に否定されてめげてしまう。

 

また作り手にとっても、

「できるだけたくさんの人に使ってもらって喜ばれたい」

というピュアな想いと合致せず、

拝金主義的な気持ち悪さが残る。

 

すると重要かつ現実的なのが、

1000円払いたい人からは1000円をもらって、

100万円払いたい人からも上手に100万円をもらうという発想。

 

うまくやっているのが、

CDに握手券・投票券を付けて

コアなファンに100万円だって

喜んで支払ってもらうAKB商法。

 

9割が無課金で楽しむ中、

100万円支払う重課金者が

混在するスマホゲームもそう。

 

ほぼ無料の仕事と

1日100万円の講演・個別指導が混在する

芸能人・講演家・著者・コンサルタントも

ある意味似ているかもしれない。

 

メニューを変えやすいサービス業だけでなく、

やりにくいとされる物販でも、

様々な形がある。

 

例えば、

商品自体を売るという発想だけではなく、

商品を作る過程に価値を付けて、

そこに出資を募る形。

クラウドファウンデングもその1つ。

 

例えば、

口コミ・紹介を含む、

お金以外の価値を提供してもらう形。

ボランティアもその1つ。

 

SNS・スマートフォンの普及によって、

昔に比べてはるかに、

普通の人でも簡単に一部のコアなファンを作りやすくなったし、

またそのコアなファンから好意を受け取りやすい

インフラ・雰囲気は整ってきているはず。

 

あとは受け取る側の覚悟の問題だけ。

 

 

ただでさえ商品を愛してたくさん買ってくれるお客様から、

既にお金・時間を費やして応援してくれるサポーターから、

さらにお金・時間を受け取る事を自分に許せるかどうか?

 

 

成功者と言われる人達は、

勝つべくして勝っているように思える。

 

多くの人にボランティアで働いてもらう事を申し訳ないと思わない国会議員。

100万円分商品を買ってもらって笑顔で「ありがとう」と言えるアイドル。

リスクのある事業に対する数億円の出資を根拠のない自信で受け取れるベンチャー経営者。

ものすごく頑張っている部下をさらに働かせる事ができるリーダー etc

 

彼ら・彼女らの精神力は凄まじい。

 

愛されるだけの自信。

受け取れるだけの覚悟・大義名分。

 

受け取る事も1つの価値提供だと思っているのかもしれない。

 

 

商品が良いのは当たり前。

 

その先の成功の鍵は、

”好き”の力を素直に受け取れる

”受け取り上手”であれるかどうかに

かかっているような気がする。