きっと人生は楽しむほどに

うまくいくようにできているはず。

 

実際、苦しんで頑張っているとすべてが悪循環で回りがち。

 

嫌になって長続きしない。

生産性が落ちる。

ストレスが溜まって心身ともに病む。

イライラして周りにも悪影響を与える。

 

それは仕事・経営も同じ事。

 

「苦しんで頑張って営業しないと売れない」

と思えるような商品・サービスは、

たいていお客様にとって不必要なもの。

 

わかっているほどにやる気が起きず、

生産性が落ちる。

 

余計な販促・営業コストがかかる上、

売れてもお客様に喜ばれない。

 

営業マンや会社の評判に繋がらないため、

口コミ・紹介も発生しない。

 

そればかりか、クレームになって

アフターサポートに振り回されがち。

 

結果、余計に仕事が苦しくなって、会社の雰囲気が悪くなる。

 

離職率が高くなって採用・教育コストが余計にかかる。

人の入れ替わりが激しくなって、さらに仕事が苦しくなる。

 

 

逆に楽しめるような仕事ほど、

いろんな事が好循環で回りがち。

 

お客様の笑顔が想像できるために、

「あそこのラーメン美味しいよ」

くらいのノリで喜んで提案できる。

 

「こんな素晴らしい商品・サービス提供に関われているだけで嬉しい」

と喜んで仕事ができて、生産性が上がる。

 

買ってもらうたびに、営業マンやお客様の評判が上がる。

 

紹介・口コミが発生するため、

営業・販促コストが少なくて済む。

 

クレームも少なくアフターサポートに

必要以上のコストがかからない。

 

結果、仕事がさらに楽しくなって、会社の雰囲気は良くなる。

 

定着率が高くて、採用・教育コストが少なくて済む。

ワイワイ仕事ができるために、さらに仕事が楽しくなる。

 

 

私も今までたくさんの会社を見てきたけれど、

大筋この考え方は合っているように思う。

 

実際、仕事を楽しんでいる会社の方が、

好循環で回っていて幸せだと思う。

 

ただそれで、

「売上・利益が上がるか?」

「会社にお金が貯まるか?」

と言うと階層が違う課題なのかもしれない。

 

 

というのも、仕事を楽しんでいる会社ほど、

社員・お客様への感謝の気持ち・愛着が強い。

 

頑張ってくれている社員を大切にする。

そのために必要以上の給与を払いたがる。

必要以上に福利厚生を手厚くしたがる。

 

儲からない仕事でも、

お客様の喜ぶ顔が見えるならやりたがる。

必要以上に高品質・低価格にしたがる。

 

喜んでご飯を食べに来てくれる孫からお金をもらおうと思えないように、

社員・お客様と、家族感覚で付き合うほど、

儲ける事に対して無頓着になりがち。

 

たくさん利益が出ても、

社員・お客様のためにすぐに使ってしまって、

お金が残らなくなる事も多い。

 

その投資先は目に見えない・形に残らない

信用という経営資源。

 

決して価値がない訳ではないけれど、

投資回収のタイムラグ次第では、

経営指標はあまり良くならないケースもある。

 

 

逆に、苦しんで頑張って仕事をしている会社の方が、

儲ける事ができるケースもある。

 

社員・お客様に対して感謝の気持ちが少ないほど、

他人と割り切って決断・選択ができる。

 

社員・お客様を同じ人間と思っていないくらいの人の方が、

高い値段で粗悪な商品・サービスを売る事に罪悪感がない。

 

社員・お客様を使い捨てるかのように、

ウソを付いて洗脳して売るor売らせる事だってできる。

 

何もかも費用対効果だけでシンプルに判断し、

社員を辞めさせる事だって、

儲からないお客様を切り捨てる事だってできる。

 

それで、たくさん利益が上がれば、

「俺がこんなに苦しんで頑張っているんだから」

と、会社の利益や自分の給与を、自然に確保する事ができる。

 

たとえ信用を失って崩れたとしても、

名前・エリア・業態・業種を変えて続ける事ができる。

 

その結果、経営指標が良くなるケースもある。

 

 

「仕事を楽しんでいる会社=儲かっている会社」とは限らない。

 

経営者もわかっているからこそ、

うまくバランスを取ってやっている。

 

攻めながら守るなんて器用な事はなかなかできなくて、

儲ける時期と、整える時期を分けている経営者もいれば、

儲ける部門と、整える部門を分けている経営者もいる。

 

現場に幸せな仕事をさせる分、

儲け役(汚れ役?)を社長・管理職でまかなっているケースもある。

 

幸せかどうかと、儲かるかどうかはきっと階層が違う課題。

それを一緒に考えるからこそ悩むのかもしれない。

 

でもせっかくなら、幸せで儲かった方がいい。

 

 

まず前提として勘違いしない方がいいのは、

誰かの笑顔のために投資したお金・時間は

決してに無駄にはならないし、

きちんと使えばそれ以上になって返ってくるという事。

 

もし返ってこないとしたら、

いい循環にお金・時間を流していないから。

その流れを堰き止めてしまっているから。

 

それはきっと、

社員・お客様とのコミュニケーション不足から来る

社員・お客様が言うほど喜ばない事への投資・回収の課題。

 

仕事を止めてハワイ旅行に連れていく事が、本当に社員を喜ばせる事とは限らない。

お客様の役に立てない社員を過剰に保護する事が、社員満足に繋がるとは限らない。

ただ単純に値段を安くする事がお客様満足とは限らない。

 

純粋に仕事が好きな社員ほど、

お客様に喜んでもらうための環境整備・邪魔をしない事を

一番に喜んでくれるかもしれない。

 

純粋に会社の商品・サービスを愛してくれているお客様ほど、

適正利益を確保して、

会社を成長・発展させる事を

一番に喜んでくれるかもしれない。

 

会社が儲ける事は社員・お客様にとっても素晴らしい事。

しっかりと受け取って、

さらに素晴らしい商品・サービス提供のために活用する(いい循環に流す)事が会社の役割。

 

 

優しい会社ほど、

与える価値に注目しすぎて、

受け取る価値を疎かにしがち。

 

受け取るのがよくないと思うのは勘違い。

 

優しい会社の社員やお客様ほど、

その会社の役に立つ場所を求めている。

感謝の気持ちを何かで還元したがっている。

 

食事を喜んで食べてくれる人がいるからこそ、

美味しい食事を作る事ができるように、

受け取る事だって価値。

 

お金を受け取ってはいけないと思ってしまうとしたら、

自分の仕事に対する価値を過小評価しているという事。

与えたい人の想いを踏みにじっているという事。

 

仕事時間を減らせば社員が喜ぶと思ってしまうとしたら、

仕事を苦しいものだと勘違いしているという事。

苦しい事を社員にさせる罪悪感を抱えているという事。

 

そうやって考えてしまう事自体が、

お金や仕事に対する冒涜なのかもしれない。

 

 

責め心のない厳しさと、

馴れ合いではない優しさがあってこその会社。

 

1社1社、1人1人、

幸せと利益を両立させる形は違うかもしれないけれど、

多くの人に当てはまるようなしくみについてもっと考えていきたいです。