趣味でも仕事でも、

何かに対して本気で好きになればなるほど、

その何かについての知識は深くなる。

 

本人にとっては、とても自然に、

素材、作り手、歴史、関連商品etc、

興味を持って知りたくなって、

ドンドン詳しくなっていく。

 

ものによっては、

集めてみたくなったり、

自分で作ってみたくなったりもする。

 

すると、

同じレベルで話ができる人が

ドンドン少なくなっていく。

 

最初のうちは

「面白い!」と聞いていてくれた人達も、

かけたお金・時間・エネルギーが多くなればなるほど

次第に「引くレベル」になっていく。

 

いわゆるオタク・マニアと言われる世界。

 

人は、自分の理解を超える話になると、

興味を持たなくなる事が多い。

 

それは、

分かり合おうとするのではなく、

シャットダウン。

 

理解するのが面倒くさくなって、

「この人は変人」

とレッテルを貼って距離を取るのが普通。

 

 

サラリーマンでも、職人でも、

何かに本気で情熱を傾けているすごい人が

味わう孤独はとても大きい。

 

休みの日でも、

取り扱う商品・サービスの事を考えている。

 

仕事とプライベートの境目なく、

自腹を切ってでも勉強している。

 

お客様を喜ばせることが好きな人は、

数百人単位で顔と名前が一致する。

 

家族の事や今までのやりとりも覚えている。

自然に気遣いができる。

 

普通の人にとって、

苦痛に感じるような事、

頑張ってもできないような事が、

好きだからこそ自然にできてしまう。

 

好きだからこそ、

興味を持って聞かれれば、

何時間でも嬉しそうに語る。

 

それが、まわりから尊敬されて、

認められればいいけれど、

現実はなかなかそうならない事が多い。

 

 

すごい人ほど、

妬まれたり、

バカにされたり、

足を引っ張られたりする。

 

長所の裏にある短所を責められる。

 

「あの人は特別だから」とわかってもらえず、

認めてもらえず寂しくなる。

 

 

それは社長も同じ。

 

会社の事が大好きで、

人生を賭けて会社のために生きているような社長と、

雇われて働いている社員の話が合わないのは当たり前。

 

社長が家庭を犠牲にして頑張ったところで、

感謝される訳でもなく

「あの人は社長だから」

と社員から別人扱いされて寂しくなる。

 

たとえ講演に呼ばれるような成功者になったところで、

心が満たされるのは一時的。

 

「あの人は私たちとは違うから」

と違う次元の人扱いされて寂しくなる。

 

みんなと同じように悩みを抱える人間なのに、

「成功している人は悩みがなくていいよね」

「あなたみたいな人に相談されても困る」

みたいな態度を取られて、

強がるしかなくなっていく。

 

 

何かを突き詰めれば突き詰めるほど、

一般大衆から外れていく訳なので、

孤独になるのは必然。

 

そんな孤独を感じる人が気をつけた方がいい事は、

自分と同じ土俵で分かり合える仲間を探そうとしすぎない事。

 

 

突き抜ければ突き抜けるほど、

同じ分野の人とは話が合いにくくなっていく。

 

それよりも、きっと話が合いやすいのは、

自分とは違う分野で何かを突き詰めている人。

 

その突き詰め方に触れる事で、

その人が持つ深みに感動する。

 

その人が味わった孤独や苦しみを共有できて分かり合える。

会話をするのが楽しくなる。

 

 

きっと同じ事が、組織の中でも言える。

 

よく社長と社員、上司と部下がすれ違う理由は、

きっと、自分の土俵でわかってもらう事を望むから。

 

社長と同じレベルで会社の事を考えている社員はいない。

上司と同じレベルでその組織・数字の事を考えている部下はいない。

 

その土俵で相手に何かを望もうとしても、

話が合わないのは当たり前。

 

だから、

「自分が相手よりも好きな何か」

についてわかってもらおうとするのではなく、

「自分よりも相手が好きな何か」

についての話を聞く事。

 

その中から、

「自分が相手よりも好きな何か」との共通点を探す中で、

想いを共有できるようになる。学びになる。

 

 

一人一人、何十年と生きてきた中で、

必ず、好きで突き詰めてきた何かを持っている。

 

それは、本人も気が付いていない事が多い。

 

その何かについて

上手に引き出す事で、発信してもらう事で、

その人ならではの長所をもっと見出していけるような気がする。

 

それができれば、

その人にとって嫉妬の対象だったすごい人に対しても、

「私にとっての○○が、あの人にとっての○○なんだ。」

ときっと分かり合えるようになるに違いない。

 

 

人は一人一人違うからこそ面白い。

 

深くじっくり聞いていけば、

すごくない人なんていないはず。

 

興味を持って見出していけるようになりたいです。