人と本音で関わるのは怖い。
友人・社員はおろか、夫婦でさえ、
すべてをさらけ出して
本音で関わる事ができている人は少ないはず。
人も組織もすべて、
100%全部好きなんて事はあり得ない。
好きなところもあれば、
そうではないところもあるのが当たり前。
トータルで考えて
好きの方が強いから付き合うだけ。
それが分かり合えていれば、
相手が自分とは違う人として認め合って、
本音・自然体の心地良い関係でいられるはず。
なのに、中には相手の嫌いなところが許せなくて、
自分の好きを押し付けようと、
戦ってしまう人がいる。
人間関係はとても脆い。
長年一緒にいた人でさえ、
ちょっとした言葉・出来事がキッカケで、
簡単に関係は崩れる。
原因はたいてい、
価値観の違いからくる
互いの勝手な勘違い。
それでも一度壊れてしまった関係を、
修復するのは至難の技。
一度勘違いされて嫌われると、
何を言ってもマイナスに捉えられて、
まともに会話が成り立たなくなる事が多い。
自立している者同士なら、
「私とあなたは違う人だから」
と受け入れられるけれど、
期待・依存関係の場合はイライラする。
どちらかが一方的に悪いなんて事はないのに、
問題を自分のせいにしたくなくて、
すべて相手のせいにしたくなってこじれる。
そうやって、本音で関わって、
うまくいかなかった経験はトラウマになる。
人に嫌われるのが怖くて、本音を隠して、
相手に合わせたいい人・強い人を演じたくなる。
それは本当の自分とは違う自分。
だからどれだけ褒められたり、
認められたりしてもモヤモヤする。
無理して強がって頑張ってきた人ほど、
失うものが大きくなっていくため、
本当の自分をさらけ出す事がドンドン難しくなる。
何とも言えない息苦しさ。
本来の弱くてカッコ悪い自分を
わかって欲しいと願いながら、
本音で人と関わる事を避けてしまうため、
いつまで経っても心は晴れない。
元々何のために頑張っていたのかも見失ったまま、
人間関係に疲れてしまっている人は多いような気がする。
結局行き着くところは、
わかって欲しいと期待する事を諦めるか?
嫌われてでもさらけ出して楽になるか?
ケースバイケースで相手に合わせたり合わせなかったり、
無理なく自然にできている人はいいけれど、
不器用で優しい人ほど苦しんでしまう。
特に苦しいのは、
期待・依存する社員を多く抱える社長や組織の長。
みんな生身の人間。
結果・数字がすべての世界で、
重い責任を一人で抱え、答えが見えない決断の連続。
悪い部分ばかりを取り上げられて否定され続けるのは辛い。
それでも、強がっているから、
さらけ出して相談するなんてできない。
カウンセリングなんて行けない。
そんな人に対して、
言葉に出さない気持ちを汲み取って、
おせっかいができる人やしくみが
求められているような気がする。
事業がうまくいかず、
人間関係に悩んでいても、
みじめな自分を見せたくなくて強がる。
人と違う事にチャレンジして成功しても、
少数派になればなるほど
気持ちをわかってくれる人が減って孤独になる。
うまくいっているように見える人ほど、
人には言いにくい悩みを抱えている傾向がある。
人前では笑顔で振舞っていても、
実はとても人間関係に疲れていたり、
たくさんの人の中にいても妙な孤独を感じている人は多い。
ちょっとした表情の変化や、
会話の中から滲み出てくる隠された本音。
それに気がついて、
無理なく自然におせっかいができる自分でありたいです。