目の前の人を喜ばせたい。

 

だから、

集客に困っている人にお客様を紹介する。

採用に困っている人に知り合いを紹介する。

お金に困っている人にお金を与える。

 

これは一見素晴らしい事に見えるけれど、

社会の原理原則に沿っていないように思える。

 

なぜならたいてい、

何かに困っている人は

何かに原因があって、

困るべくして困っているから。

 

問題の根本の原因を改善しない限り、

同じような失敗を繰り返す。

 

それはきっと何にでも共通している。

 

体が悪い人に対処療法的な治療をしても、

根本的な原因・習慣を改めない限り再発する。

 

ギャンブル依存症でお金が足りないと言う人に、

何度・どれだけお金を渡しても、

また同じようにギャンブルを繰り返してお金に困る。

 

一時的な対処療法として

必要な時はあるかもしれないけれど、

あるべき姿に逆らう行為は長続きしない。

 

 

自分が好きになれない商品・サービスを素晴らしいと嘘を付いて売ったり、

本当は相手のためにならない事を知っていながら誰かを紹介したって、

それはお互いの心に歪みを残す。

 

感情を殺してやればできるけれど、

それではいつか、心・体が悲鳴をあげる事になる。

 

目先の数字に目が眩み、

仕事でよくやってしまいがち。

 

 

こうなってしまう原因は、

現状を受け入れないまま否定してしまう事にある。

 

こんなに頑張っているのに、

人が集まらないのはおかしい、

売上が上がらないのはおかしい、

採用がうまくいかないのはおかしい etc。

 

認めたくなくて、

客観的に見えなくなって、

現状から目を逸らし、原因追求を怠ってしまう。

 

小手先テクニックで目先の数字を追いかけても、

長続きしないのは当たり前。

 

頑張った割に売上が落ちているのも、

求人しても人が集まらないのも、

販促しても商品が売れないのも、

社員が離れていくのも、

確かにその伝え方の問題もあるけれど、

たいてい会社・人・商品・職場環境など、

コアとなる部分の魅力に課題がある事が多い。

 

 

そうは言っても現実は、

商品・サービスをゼロから見直すなんてなかなかできない。

 

だからこそ、会社も人も、

スムーズにうまくいかせるには長所伸展でいくこと。

 

つまり、うまくいっていないように見える事の中でも、

うまくいっている・伸びている何かを探す。

 

全体の数字は落ちているかもしれないけれど、

人は集まっていないかもしれないけれど、

それでもどこかの分類で伸びている部分がある。

ある一点でお客様に好評なところは必ずある。

 

その長所をトコトン磨いて、トコトン伝える事に集中する事。

 

たとえ一部の社員が辞めたからと言って、

会社の事が大好きで残ってくれている社員がいる。

 

会社の売上が縮小したからと言って、

それでもその会社の商品・サービスを愛してくれているお客様がいる。

 

人を育てるのが苦手・嫌いな人が、

無理して人を雇って育てようとするからおかしくなる。

 

人口が減少しているにもかかわらず、

すべての会社が同じ形のまま、

拡大・現状維持を求めたところで、

うまくいかないのは当たり前。

 

自分が苦手な事を、

人に・他社に・コンピューターに任せるのは素晴らしい事。

 

会社も人も、

それぞれが素晴らしい長所を持っているのに、

短所是正しようとして、

会社の良さ・人の良さを消してしまうのはもったいない。

 

 

現状はそうなるべくしてなっている。

だからこそ、それを活かしてうまくやっていけばいい。

 

自分が好きな事・得意な事に集中する事。

 

目の前に降りかかる課題はきっと、

自分が好きな事・得意な事に

気が付かせてくれるヒントになる。

 

長所がない人なんていない。

いいところが1つもない会社なんてない。

 

今の自分に、今の会社に、

もっと自信を持って欲しいです。