大きなチャレンジをして成功した人ほど、

「こんなに大変だと知っていたらやらなかった」

とよく言う。

 

何かに憧れて、何かにチャレンジして、

しばらくして初めてわかる厳しい現実。

 

「これならば絶対にうまくいく」

と思っていた方法で

ストレートにうまくいく事なんてほとんどない。

 

予想外のどうしようもない障害や、

絶対に敵わないとさえ思える相手との競争を

乗り越えた先に成功がある。

 

そして1人の成功者の裏側には、

障害や競争を乗り越えられずに諦めた

スポットライトの当たらない人が果てしない数ほどいる。

 

何も知らない若い人が、

簡単にスポットライトの当たるステージに

立てると信じて疑わない姿を見ると、

「現実はそんなに甘くない!」

と言いたくなる人もいるかもしれない。

 

 

とはいえ、目を輝かせて

「将来プロサッカー選手になりたい」

と言う少年に

「2500人に1人の狭き門だから諦めた方がいい」

なんて言う野暮な大人はいない。

 

いいか悪いかどうかは別にして、

現実的なアドバイスをする人は

ドリームキラーと呼ばれる。

 

心のどこかで

「たぶん無理」

と思っていながらも、

「大丈夫!君ならできるよ!」

などと背中を押そうとする人の方が多いはず。

 

多くの人が思っている「優しい人」というのは、

ある意味、適当で無責任な人の事を言うのかもしれない。

 

 

でも最近、この適当で無責任な事が

実はとても大切だと思えるようになってきた。

 

なぜなら、

並大抵ではない事をやり切るには、

「自分はできる!」

といい意味で自分を勘違いさせられるかにかかっているから。

 

過去の延長線上の自分では辿り着けないほどの理想が夢であるならば、

夢を現実的に考えたら叶わないのは当たり前。

 

今の自分が持っている能力・情報・人脈などをベースに

どれだけ積み上げたって届かない。

 

現実的な事を考えれば考えるほど、

できない理由・チャレンジしない理由しか

考えられなくなってしまう。

 

だからこそ、夢を叶えるには、

非現実的な何かが必要になる。

 

それは、

今までだったら絶対に出会えない人との出会いや、

突然降って湧いてきたかのようなすごいチャンス。

 

実際に成功している人ほど

「運が良かっただけ」

と言うのはそんな出会いやチャンスを掴み取ってきたからこそ。

 

常識的な考えのままでは、

運や偶然に頼って

何かにチャレンジするのは怖くてできない。

 

「バカと天才は紙一重」というのは、

そもそもバカか天才じゃなければ

スタートラインにさえ立てない

という一面もあるような気がする。

 

 

そして臆病になりがちな背中を押してくれるのがきっと、

適当で無責任なアドバイス。

 

なんの根拠もなかったとしても

「お前ならできるよ!」

と言われた言葉を信じられるからこそ第一歩を踏み出せる。

 

それはそれでとても大切な事。

 

国や地域、業界や組織に対して

「将来性がない」

と嘆く事は簡単。

 

できない理由なんて嫌というほど探せる。

 

「現実を見ろ!」

と言いたくなる人の気持ちもわかる。

 

でも現実を見てしまったら

チャレンジさえできなくなる。

 

常識外れに思える事でも、

「うまくいくから大丈夫!」

と勘違いした人に突き動かされるようにして社会は進歩していく。

 

 

マンガやドラマで

言うほど努力もしないで成功する主人公を見て、

「こんなに簡単にうまくいく訳がない」

と言うのも野暮な事。

 

現実離れしたマンガやドラマも、

努力のプロセスを見せない成功者も、

他の人にチャレンジしやすくさせるために

勘違いさせようとしてくれているのかもしれない。

 

一流になるための努力が楽な訳がないけれど、

勘違いするからこそ始められて、

その一歩があるからこそ面白い人生になるはず。

 

 

わかっていてもできないのが人間。

 

行動すればいいだけなのに、

すぐに怖くなって動けなくなる。

 

そんな弱い自分を乗り越えるには自分を勘違いさせる事。

 

適当で無責任な人の優しさを受け入れて、

いい意味で騙されるのも

とてもステキな事だと思うのです。