初対面の人とのコミュニケーションは難しい。

 

あまり話した事のない組織のメンバーや、

初対面の人とどうコミュニケーションを取ったらいいかわからなくて

ソワソワしてしまう人はきっと多いはず。

 

 

そんな声を掛けにくい苦手な相手との間に

足りていないのはきっと共通の何か。

 

例えば、

できれば近寄りたくない見た目が怖いおじさんでも、

実は松田聖子の大ファンだとわかると

なぜか可愛く思えて話を聞きたくなる。

 

人を騙してでもお金を稼ごうとするヤバい人でも、

実は病気の息子の医療費のために

生活を切り詰めている事がわかると

なぜか親近感が湧いて手助けしたくなる。

 

人が人を苦手と思うのは、

その相手の事を知らないから。

 

相手と共通する何かを通じて

相手と自分が似ている事を認識できると

仲良くなりやすい。

 

言葉が通じない動物や赤ちゃん相手でも

なんとかコミュニケーションが取れるのは、

お腹が空いた時に食べ物を与えられると嬉しいなど、

同じ感情が分かり合えるからこそ。

 

 

とはいえ、

人間関係づくりが難しいのは

共通の何かがよくわからない事。

 

相手に聞こうにも、

見た目が怖いおじさんに

「松田聖子好きですか?」

なんて聞けない。

 

質問されるのを嫌がる人もいる。

 

突然話し掛けるのも不自然。

 

声を掛けるキッカケやタイミングが掴めずに、

どうしていいかわからなくなる。

 

 

何か行動を起こさなければ

人と仲良くなる事はできない。

 

かと言って攻めすぎると

地雷を踏んで相手を怒らせる事もある。

 

ただ言えるのは、

相手と共通の何かを増やす事に繋がる趣味や教養は

人と仲良くなるための武器になるという事。

 

趣味・教養が豊富なら、

相手の腕時計を見て、

「その腕時計、サブマリーナですよね!どこで買われたんですか?」

とか、鍛え上げられた筋肉を見て、

「その筋肉すごいですよね!水泳やられていたんですか?」

などと共通の話題を探し作る事ができる。

 

相手が興味のある分野で、

相手が知らない事を知って伝える事ができたり、

相手が話したい事を引き出す事ができたりすると

会話が弾んで仲良くなりやすい。

 

逆に、自分にも教養がなく、

相手が興味のない話題を振ってしまうと場が凍る。

 

こだわりのない腕時計に対して話題を振ろうものならば、

「いや、近くのドン・キホーテで安いのを買っただけです」

と言われて何と言っていいのか困ってしまう事になる。

 

人と仲良くなるのがうまい人は、

相手がこだわっている事や、

相手のすごいところを見つけて

引き出すのが上手なんだと思う。

 

 

そう思うと、

コミュニケーションは

言葉のやり取りをする事だと思われがちだけれど、

言葉はいうほど必要ないのかもしれない。

 

ボランディアの人が

大切なお金・時間を使って

外国の子供達を助けようとするのも、

親が子供を想う気持ちが共通で、

分かり合えるからこそ。

 

オリンピックで、相手が言葉が通じない国の選手でも、

素晴らしい演技をするのを見て感動・尊敬できるように、

言葉がなくてもコミュニケーションは取れる。

 

音楽に興味のある相手なら、

言葉が通じなくても、

音楽に対するこだわりはすぐにわかる。

 

そのビジネスの分野に通じている相手なら、

すごい商品・サービスはすぐにわかる。

 

異なる文化の言葉が通じない外国人だって、

スポーツ・娯楽・研究・ビジネス etc、

共通の何かさえイメージできれば、

その何かを通じてコミュニケーションが取れて仲良くなれる。

 

お金も、趣味も、宗教も、健康も、

世の中に溢れている物事すべてが、

人と人とを繋ぐインフラになっていると思うと

社会はとても優しくて感慨深い。

 

趣味・教養が武器として、

あとは一歩踏み出す勇気さえあれば、

意外にどんな人とでも

仲良くなれる気がする。

 

 

あとの問題は、

仲が良かったはずの相手でも、

急に違う人と認識されて疎遠になるケース。

 

例えば、

同じ日本に住んでいるだけで

「同じ日本人だから」

と認識して一緒にワールドカップの応援で盛り上がっていたかと思うと、

話の流れで急に大阪出身の人に対して、

「あの人は大阪人だから」

と違う文化を持った違う人として

認識して距離を置かれる事もある。

 

サッカーの話をしていた時は

同じチームのファンとして盛り上がっていたかと思えば、

野球の話になると急に噛み合わなくなる事もある。

 

たった1つの共通の何かのおかげで

疎遠だった人と急に仲良くなれる事もあれば、

逆にたった1つのどうしても許せない何かのせいで

仲が良かったはずの人と急に疎遠になる事もある。

 

豊かになって、

助け合わなくてもそれなりに生活できるようになって、

近くの人と無理をして仲良くする必要がなくなったせいか、

人と人との縁の移り変わりもきっと激しくなっている。

 

特定の友人とずっと一緒に付き合い続けるなんて事は少なくなって、

人との付き合いも柔軟になってきたのかもしれない。

 

 

 

一緒にいる必要性があれば一緒にいるし、

一緒にいる必要性がなければ離れる。

 

ある意味ドライに思えるかもしれないけれど、

それはそれで無意味につるまずに、

自分のやりたい事をやったり、

効率的に人を成長させる事に繋がっている。

 

結局、相手が初対面であっても、そうでなくても、

人が人と仲良くなるのは、

その人と仲良くなる必要性があるから。

 

そう思うと、

自分がやりたい事を全力でやるプロセスの中に

大切な仲間が見つかるようにできているような気がする。

 

 

一度離れたとしても、

本当に必要な人とはまた会えるし、

本当の友達はきっと、

何年ぶりに会ったとしてもずっと友達。

 

どうやって仲良くなろうかと考えすぎなくても、

自分のやりたい事をやっていれば、

自然な感じで必要な相手に興味を持って、

その人と自然に仲良くなれる。

 

 

出会いと別れは表裏一体。

 

人間関係を維持する事にこだわりすぎずに、

楽しくやっていきたいです。