いいものを作る職人さんでも、
その価値が伝わらず、
報われていない人はたくさんいる。
そんな話をとある職人さんにしたら、
「バカにするな!」と言わんばかりの
熱い話をいただいて、ハッとさせられた。
その職人さんに言わせると、
「価値を伝えられない時点でプロではない」
「”お客様にとっていいもの”を作っていれば必ず報われる」
との事。
手間暇かけて過剰品質にしたがる職人は、
競技として見ればすごいかもしれないけれど、
たいてい自己満足で、自分が作りたいものを作っているだけなので、
価値が伝えられなくて当たり前。
プロの職人は、本当にお客様の事を考えて、
お客様のためにお客様の求める価値を追求するから、
価値が伝えられない訳がない。
と。
また、プロの職人は、
きちんと評価されているから大丈夫だとも言っていた。
必ず誰かが見ていて、あの人なら大丈夫だと紹介をもらえる。
積み重ねた信用があるから、
不景気になろうが仕事がなくなる事はない。
と自信を持っていた。
私にとっても耳の痛い話。
もしかしたら、多くの人に当てはまるかもしれない。
高単価・高付加価値型の商売をやっている人ほど、
商品・サービスの価値が伝えられなくて困っていると言う人は多い。
プロの人からすると、そんなものは、
いいものを作る事だけに気を取られ、
伝える努力を怠ってきただけだと言う。
価格設定も奥が深い。
同じ商品・サービスでも、
「タダでもいらない」と言う人もいれば、
「100万円でも安い」と言う人もいる。
その道を極めたいだけなら、
その価値をわかってくれるニッチな客層に向けて、
細く長くやっていけばいい。
しかし、もっと広めたいと言うのであれば、
多くの人に満足してもらえる価格で、
流通させられるようにした方がいい。
長い時間とお金をかけて、
頑張って作った商品やサービス。
購入してもらえば、使ってみてもらえれば、
もしくは30分話を聞いてもらえれば
きっとわかってもらえるのに!
そう言いたくなる気持ちは、
誰しも持っていると思うけど、
お客様にそうしたいと思わせられない
価格・魅せ方・伝え方にも問題がある。
価格・魅せ方・伝え方も含めて価値。
自分都合で設定した価格で、たいした努力もせず、
ただもっと広めたいなんて言うのは、
お客様と向き合う事から逃げてしまっているのかもしれない。
とある熱い職人さんが教えてくれたプロ根性。
売れないのは不景気やお客様のせいではなく、
ただ自分の努力不足。
「いいものを作っていればわかってもらえるはず」
なんて甘い考えは捨てて、
私ももっと伝える努力をしていきます。