コミュニケーションは奥が深くて面白い。

 

事実をどれだけ正確に言ったところで、

相手に正しく伝わるかは別物。

 

多人数に向けてのメッセージは

さらに難しくなる。

 

思い通りに伝わる方が少ないかもしれない。

 

その理由は以前書いたように、

「言葉は相手がそう思いたいように受け取られる」から。

心を込めて書いた文章も、

相手のためを思って掛けた言葉も、

結局すべて相手の受け取り方次第。

 

 

会社でも、上司が部下に指導する時、

部下が「自分は悪くない」と思い込んでいたら、

何を伝えてもなかなか改善には繋がらない。

 

なぜなら部下は、自分の過去の行動を正当化するために、

「変わりたくない。アドバイスを受け入れたくない。」

という心情になってしまうから。

 

それは家庭でも、どんな組織でも同じ。

 

新しい事をやりたがる人ほど、

自分の想いが相手に伝わっていないように感じて、

孤独や寂しさを感じている人は多いはず。

 

 

相手の思考パターンに応じて伝える方法や、

相手の受け取り方に左右されないようにする方法もあるけれど、

意外に取り組まれていないのは、

”純度”を高めてメッセージを伝える事。

 

 

本当に純粋な想いで伝えるメッセージは伝わる。

 

・本当に成功を信じている人が言う「大丈夫」

・本当に困っている人が言う「助けて」

・本当にサポートを必要としている人が言う「手伝って」

 

 

たった一言でも響く。

心が震える。涙が出る。人を動かす。

 

だから、組織で人を動かしたいなら、

純度の高いメッセージを伝えたらいい。

 

 

しかし、人にはたくさんの煩悩がある。

メッセージの中にたくさんの”我”が出てしまう。

 

「あなたのために」と言いながら、

心のどこかに、「自分のために」がある。

 

自分のために商品・サービスを売り込みたい気持ちが紛れる。

 

自分の心が満たされていないと、

「認められたい」「わかって欲しい」という気持ちが紛れる。

 

すると、相手のためのメッセージのはずが、

不要な売り込み・自慢話・自分を正当化する話etc

相手に望まれていない「自分のための言動」が混じる。

 

いろんな想いが混じって、

純度が低いメッセージになって、

ストレートに伝わりにくくなる。

 

伝えられる相手も言葉には出さないけれど、

純度の低いメッセージには、

無意識に違和感・気持ち悪さを感じる。

 

言葉では言っていないはずの事まで伝わってしまい、

「結局、何を伝えたいのかわからなかった」

と言われる事もある。

 

小さな子供相手だと、わかりやすく話を聞いてもらえない。

 

 

相手のためにと言っていても、

実は自分のための比重が強いケースは本当に多い。

 

それならいっそ本音で、

自分のためだと言った方が純度が高いので伝わる。

 

例えば、上司が「部下のために」と、

純度の低いメッセージを伝えるくらいなら、

「俺の昇進を助けて欲しい」

と自分が会社で成し遂げたい事を

純度の高いメッセージで伝えた方が動いてもらえる。

 

 

本当の望みが認められたいというであれば、

「認められたい」と純度を高めて伝えれば叶う。

「大丈夫だよ」と優しい言葉をかけてくれる人が現れる。

 

本当の望みがお金持ちになって誰かを見返したいというのであれば、

そう純度を高めて言えば、応援してくれる人が現れる。

 

自分の心に素直になれず恥ずかしがって、

「でも・・・」と本音を隠すから伝わらなくなる。

叶わなくなる。

 

 

自分の心に素直になって伝える事。

 

そうすれば、

たとえ、不器用な言葉でも

相手が真剣に聞いてくれる。

 

たとえ何を言っているのか

わからない状態になったとしても伝わる。

 

 

本当の想いは心に響く。

 

もっと純度の高いメッセージを心がけていきます。